t「桜」
桜が舞う四月。
多くの出会いと別れが共存してあちこちで色んな表情をみせる。
ひらひらと舞う花びらは新たな一面を見せた人に動揺して
綺麗に咲く姿は先行く先輩に見え
支える木の幹は会社を支えるベテランさんのよう
なんてそれほど綺麗じゃない社会になぞらえてみる。
でもいつかはそのヒトたちもいなくなり新しいものに変わっていく
唯一変わらないのはここで毎年咲く桜だけかもしれない。
t「空に向かって」
「なんで引っ越しちゃうの」
「ごめんね、親が決めたことだから…」
「うぅ…行かないで行かないでよ…!」
「…ごめんねぇ」
「やだぁいっちゃやだぁ〜」
「う〜ん…そうだ!さみしくなったら空に向かって自分の名前を叫んでよ」
「へ?なんで?」
「同じ空の下にいるんだもん叫んだらきつと声が聞こえるかなって」
「なるほど…?」
「自分もさみしくなったら君の名前を叫ぶから」
「!!わかった!さみしくなったら叫ぶ!」
「ふふ聞こえたらお返事するね」
「こっちだって聞こえたら絶対返事する!」
t「はじめまして」
知らない人と出会った時は初めまして
いつもしている趣味の時は始めまして
はじめまして私は文字を並べるのが好きです
初めましてこの良き出会いには感謝を
始めまして趣味で言葉を遊びを楽しんでます
簡単な自己紹介のつもりだけど。ちょっとくどかったね。
t「またね!」
君はいつも別れ際にまたね!と元気に言ってくれる。
自分は気をつけてね、と返す。
お互いにお互いを気づかって交わす言葉。
意味や思いは違っても暖かい気持ちにはなる。
t「春風とともに」
春の便りに惹かれて何となく外に出た。
毎日休む暇もなく過ごしていると今がどの季節なのか、全く意識していなかった。
室内でバタバタとしてるとふと外に桜の花びらが舞っているのに気づいて、もうそんな季節か…と口からこぼれて今に至る。
桜が、たくさん並ぶ場所に宛もなくひとりで歩く。今の仕事がなかなかに忙しい。自分のやりたい事で手ごたえも感じているが、そう上手くはいかない。まだまだ出来ることがたくさんあってやりたい事もたくさんある。嬉しい悲鳴をあげながら何とか日々を過ごしている。
桜の下ではみんな穏やかで笑顔で楽しそう。そんな雰囲気に自分もひっそり溶け込んで少し元気をもらう。
上手くいかないこともある、辛い事も楽しい事も全然ある。それでも自分の夢だから、毎日一歩ずつ前に進みながら成し遂げていく。暖かく吹く春風とともに前に進み。