たくさんの思い出をありがとう。
牙狼 GOLD IMPACT……。
また会いましょう
その言葉を最後に
あなたはとは会わない。
何も決めなくていい。
あなたとのお別れの言葉
あなたは『また』なんて言葉に
惑わされて、許された気になって、
虫唾が走る。
またなんてどこにもないのに。
あ。あなたのそばにはありましたね。
私を裏切ってでも欲しかった『また』が。
僕は痛感した。
君が居なくなってから
この気持ちに気付いても
意味がないことを。
どうして、あの時優しくしてあげられなかったのか
どうして、もっと早くに気づいてあげられなかったのか
どれだけ反芻したって、これは意味が無いこと。
僕は僕の人生を、君は君の人生を、
意味の在るものにするために別れたのだから。
僕らは、出会わなければよかった。
意味の無いことに縋り付いてしまう僕、
僕との時間がなかったように振る舞う君。
君の中で意味の無いことになってしまった僕に
僕は耐えられない。
きみは小さい頃から眠りにつく前に
いつもぼくを見る
予定があるとき嬉しそうな顔で
友達と喧嘩した時は怒った顔で
仕事のときはげっそりした顔で
きみは、ぼくを見ない日はなかった。
あるとき、知らない人を連れてきて、
ぼくを見て見ぬ振りをした。
それが間違いだった。
それから始まったのは、たった数年の幸せ。
そして、ぼくはきみの時を刻むものから、
きみを傷つける道具になった。
きみがうれしそうにすればぼくはきみを傷つけて
きみが泣いていれば、そのヒトは、誰が
傷つけたのだと言わんばかりに優しさで包み込む。
これが、あのヒトの罠。抜け出せない地獄。
ぼくは、知っている。あのヒトが、君のいないときは
別のヒトを連れてきていることを。
ああ、神様、どうか1度だけこのヒトを……
ゴン、と鈍い音が響く。神様が動かしてくれたのかな、
薄れゆく意識の中で、うずくまる、あのヒト達と、
仕事に行っていたはずのきみが泣いていた。
カラオケで親友と声が枯れるまで歌い続けて
変な声になって笑いあったり恋の話をしたり
俗に言う青春を送りたかった。
誰に課せられたわけでもないのに
大人から良い子に見えるように
迷惑かけないように
やりたいことにバカバカしいと蓋をして、
門限も、言われたことを馬鹿みたいに守ろうとする。
自分を正当化して、やりたいことができても
言われたことすらできないこんな自分は
やりたいことをやれる価値なんてない。
今思えばあの時私は苦しかったんだ。
苦しさから目を背けて大丈夫だと思い込んでいたんだ。
青春はあの時しか無かったのに。
同級生が輝いて見えていたのかな。
もう、覚えてもないけれど、
あの時バカにしてたのは、
本当は心の奥底で羨ましかったからなのだろう。