5/12/2024, 11:41:57 AM
子供のままで
ファミレスで塩分過多なポテトを食べ、見向きもしない親たちに応えるように、周囲を無視して走り回る。
僕は4種類の食器を両手に持ちながら、お客に差し出しにいく。キッチンを出て、1番、2番、3番とテーブルを過ぎて、目的の9番テーブルに向かう。
子供たちは僕にぶつかり、敷き皿と容器のセットの
スープ皿がバランスを崩して地面に突き、高い音を周囲に放つ。地面はコーンポタージュの濃黄色に染まる。
僕は子供が好きじゃない。
5/8/2024, 3:34:45 AM
初恋の日
雪は溶けるが、春を迎え入れるのを拒むように、僕の季節は北からの寒さを何度も寂しがり、縋りつづけた。
チャイムが鳴る。
始業式を終え、季節は春を抗えず、僕は3年生になっていた。部室に流れる2人だけの季節は、1人の季節になっていた。