僕は
陽か陰
どちらかにわけられたなら
断然
陰
でも、なんでか
お前は
俺なんかに話しかけてくる
俺と関わったことで
自分だって
からかわれてんのにさ
ほんと
訳わかんないよ
でも、
なんでか
似てる気がするんだ
性格も
みんなからの信頼性も
真反対
だけど俺
知ってるよ
頭がいいのも
運動できるのも
全部努力してるからだって。
みんなから尊敬されてさ
「違う世界にするでるみたい」とか
「私には出来ないな」なんて
みんなから言われる
みんなは褒め言葉で言ってるつもりでも
俺はみんなと違うんだって
傷ついてるでしょ
顔でわかるよ
僕
話すのが苦手だから
顔色で判断してたから。
僕だって
最初は世界が違うんだって
関わんないようにしてた
なんなら
少し嫌いだった
僕とは違って
人気者で
悩みなんかないんだろうな
ずるいなって
勝手に思ってた
でも
関わってわかった
すごい努力してた。
すごい人ってさ
元々すごいんじゃなくて
見えないところで苦しんで
悩んでる
伝えることもまともに出来ないし
勇気もないし
僕だけが
こんなに悩んでるんだって
何度も泣いたし
苦しかった
でも、
僕だけじゃないんだなって
真反対だけど
僕と同じなんだなって。
僕
やろうと思っても
上手くいかなくて
後悔して
諦めてた、
頑張れるって、ほんとすごい
思ってたこと
全部言えた
言葉にできた
そう思って
少し
勇気を貰った
あー、雨。
傘
ないから
一人寂しく
下校
帰ってるのに
「帰りたい」なんて
独り言を言う
近所のおじいちゃん
好きだけど
話が長い
学校
どうだった?
って
学校のことなんて
思い返したくない
全部上手くいかないし
失敗するし
分からない
自分が悪い
だけど
自分が悪いと
1番心が痛くなる
はぁ
ため息はついた方がいい
よく聞く
何も変わらないけど
そんなことばかり呟きながら帰る
雨が弱まって
慰められてる気分になって
情けなくなって
ばれないように涙を拭う
なんだよって
地面を踏みつけながら
こうすればいいよ
一緒にやるか
年の離れた兄は
僕に優しかった
年齢が離れてるから
喧嘩もしたことがなかった
兄が僕に怒る時は
大体僕のため
友達が自分の兄弟の悪口を言ってる時なんて
理解ができなかった
大好きだから
自分も
兄みたいになりたいって思うから
どんな時でも隣にいてくれる
でも
だからって何でもしてくれる訳じゃなくて
やってみなって
アドバイスをくれるだけ
将来
自分で出来るように。
部屋は違うけど
僕はいつも兄の部屋にいる
迷惑かなって思うけど
1人だと少し怖かった
僕は今
兄と同じ仕事をしている
やりがいだってある
僕を
僕の人生を
導いてくれる光が
僕のお兄ちゃんだから
昨日
旅行に来たのか
散歩に来たのか
分からない
だけど
1人のお年寄りが
東京タワーを見ていた
見ていたって言っても
あまり、
上を見上げることができていない
東京タワーの付け根
そこだけ
見てた
助けることも出来ないんだよね
なんだか、哀愁をそそる
鍵を持たずに出てきてしまった
小学生
玄関で親の帰りを待っている
何時に帰ってくるんだろ
寒そうだな
そんなことを思いながらも
知らないふりをして
通り過ぎる。
3人のグループLINEで
2人にしか分からない話をする人
個人LINEですればいいのにって
言えないんだよね
これも全部
哀愁がそそる
ほんとの自分は誰にも見せたことがない
ほんとの自分ってなんなのか分からないけど。
人と話す時
そうだよね
ほんとだよねって
話を合わせて
思ってもないことに共感する
これ、面白いよね
これどう思う?
疑問形には
尚更嘘をつく
それ、好きだったんだよね
前に見たことある気がする
嘘なんかつくなよって
思うでしょ
自分の意見を言えってみんな言うよね。
できないんだよね
自分の意見を否定された時に
反応に困る
気まずくなりたくなくて
ほんとのことなんて言えない
それに
別に本当のことを言う必要が無いって
思ってしまう
僕の情報なんか
周りに与えて。
なんの意味もない
良好な関係を保つことが出来ればなんだっていい。
お母さんはいつも
僕の全てを知ってるかのように話す
僕のことは僕にしか分からないのにね
お母さんと良好な関係を保ちたいなんて
全然考えてない
だけどなぜか
僕は家族にも嘘をつく
みんなが知ってる僕は
鏡の中の僕
本当の僕はここにしかいないのに。
鏡の中にいる自分は
誰よりも嫌いだ。