2/2/2025, 11:36:57 PM
隠された手紙
卒業式の日、ポストに入っていた
同級生からの手紙
初めて受け取るラブレター。
お返事できなかった。
ありがとうと
ごめんなさいの伝え方がわからなかった。
捨てられなくて。
年末に引き出しの奥を掃除をするたびに、
ひとりそっと開いて読んだ。
大切な友だちだったのに
誠実に返事をしなかったことを後悔し、
返事ができていないからだろうか、
また引き出しの奥にしまう。
10年経ち、家を出るとき、
あの時は返事をしなくてごめんなさい。
あなたが抱いてくれた気持ちに
はいと返事はできなかったけど、
ありがとう。
心の中で言い、
手紙にさようならした。
隠された手紙、という言葉が引き出した
若い日の記憶。
あの時の気持ちを心が覚えていることを
静かに感じた朝。
2/1/2025, 10:34:05 AM
バイバーイ!
遠くへ引越す友達に大きな声で手を振る
またねー!!
と思わず付け加える
バイバイ、
だけど
きっと会いにいくね。
1/31/2025, 11:02:34 AM
旅の途中、車の中でけんかした。
イライラする気持ちと
けんかしたかった訳じゃないのに、
という情けなさでいっぱいになる。
道を曲がると、目に夕焼けが飛び込んできた。
海面を太陽がキラキラと染めている。
あまりの美しさに車を停めて。
車を降りて。
一緒に夕焼けを見た。
さっきはごめんねと言って笑った。
目的地でもなく、道中の
そんなひとときが旅の思い出。
1/30/2025, 1:00:31 PM
新しい土地に引越すことを決めて
育った土地を離れてやっていけるだろうか
こころのうちを話せる友はできるだろうか
と不安だった君
一年後の今日、
新しい土地で出会った友が
いつものように家を訪ねてくれるのを楽しみに
掃除をしているなんて
まだ知らない君
1/29/2025, 12:53:34 PM
風が冷たくて
すこしでも日が当たる場所を探して歩いた日、
太陽に照らされて樹々がつくりだす陰に
温もりを感じた。
♯日陰