#74 どこまでも続く青い空
[見ず知らずの苦しむ方へ]
どこまでも続く青い空の下、
苦しむ誰かを思いやる気持ちを
空へと向けて投げる。
見ず知らずの誰かに届くことを祈って。
御詣りする時は、いつもこんな感じで
祈っている。
#73 すれ違い
[すれ違い、ぶつかり合う]
貴方を守りたい人。
貴方を攻撃したい人。
同じ人間の姿形をしているのに
心はまるで別物。
信じているものが違うから
すれ違い、喧嘩ばかり。
でも大丈夫。
きっとどこかで神様が
全てを観ているから。
今は、我慢の時。
#72 やわらかな光
[光の三原色]
ポリ袋の中に、絵の具と水を入れる。
そのポリ袋同士をつないで
1枚の壁を作るように、吊り下げる。
完成した作品を日の光に当てると、
カラフルでやわらかい光で満たされる。
その瞬間、あたかも世界を独り占めにして
作品に閉じ込めてしまったかのような感覚に
なる。
それくらい光の三原色が魅せる
ドラマチックな光景が美しくて仕方なかった。
このまま時が止まってしまうのではないか、
と思って畏れまで抱いてしまった。
#71 高く高く
[翼]
もっと高く飛びたくて、
より質の良い翼を求めてやまない。
でも、質の良い翼には、
質の良い対価を求められて、
未払いが続くと見放される。
それでも尚、高く飛びたくて、
何とかコスパの良い翼に飛びつく。
やがて、高く飛ぶことに飽きて、
身の丈にあった翼を選ぶ。
人生って、こんな感じかな?
#70 涙の理由
[悔し涙と嬉し涙]
悔し涙。
将来のためにちゃんとしたいのに。
この世界はどこまでも真っ暗闇。
可笑しいよ。
なんで?
愛してるなんて、貴方は嘘つきだ。
隣の席の子は、
当たり前の日常を謳歌していると言う。
なんで?
当たり前って言わないでよ!
お願いだから。
私の世界は、常に死と隣り合わせ。
貴方の世界の安寧の為に
存在するだけの空っぽなゴミ人形。
ゴミ人形は、
涙も悲鳴もゴミ箱に捨てて、ふたをする。
そんな人形にも心配してくれる人がいる。
心配してくれたお陰で、
あやつり人形も人間の姿になれる。
優しさに触れる度、涙が出そうになる。
嬉し涙。
ほっこりする。
このまま人間でいたいな?
でも、人形に戻らないといけないかな?
なんて、心配してくれた人に
さらに心配かけるセリフばかり思い浮かぶ。
よし、もう何も考えず今に集中しとこう!
涙を拭いて、立ち上がる。