NoName

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9/23/2024, 1:26:08 PM

「こわいよ、ねえ、おにいちゃん、まってよぉ」
「ガハハっ!怖がりだなオマエは!」
「うう…」
「ほら、オレの手に掴まれ」
「あっ、」
「ほら、登れたじゃんか!」
「…!!」
おにいちゃんのちから、すごいなぁ…



「ねぇ〜おにいちゃん!おえかきしよ!」
「あー、ごめんなぁ、」
おにいちゃん、ずっとへやにいる…なんでだろう
「オレのことは良いからさ、お友達と遊んで来いよ、な?」
「はぁ〜い、」

おにいちゃん、どうしちゃったんだろう


あれ、おうちは?
めらめらって、してる
あかいくるま、しろいくるま
「家の中には子供がいたんだってぇ」
「えぇ〜?その子、どうなったの?」
「さぁ、救急隊員の方が戻るのを待つしかないわぁ」
、?なにいってるの、このひとたち
「あら、君、どこの子?」
「えっ、あ、」
「あ…」
「あらごめんねぇ、泣きやんで、ほらぁ」
「ねぇ、もしかして、ここの家の子じゃない?幼いし、家の中にいる子の妹とか…」
「えぇっ?」
「ねぇ、君、お兄さんいる?」
「うっ…くずっ…いる、」
「まさか…本当に…」

数年後⸺

「お爺ちゃん、お墓参りに行ってくるね」
「おぉう、気をつけてなぁ」

後々わかった。お兄ちゃんは自らこの家を燃やした。
私は気づかなかったけど、私達の親は毒親というものらしい。
お兄ちゃんは私を守るためにやったのだろう。

お兄ちゃんへ、私は今、お爺ちゃんと暮らしているの。
ジャングルジムにも一人で登れるようになったよ。
友達もいっぱい増えたよ。
私、今、幸せだよ!
お兄ちゃんの分も精一杯生きて、これからももっともっと幸せになるから。
見守っててね⸺。