『最後の声』
たとえばあなたが 死ぬときに
最後に聴きたい 声はだれ?
言葉を想像 してみてよ
⋯⋯それはね今すぐ 聴くべきよ
最後の声って なんだろう
医者とか看護師 なんだろう
死んでく者には 意味がない
最後に言うなら「ありがとう」
ドラマのセリフも 良いけれど
静かな時間も 良さそうだ
たとえばわたしが 死んだなら
言葉はいいから 泣いてくれ
最後と名のつく 言葉より
忘れないで⋯って 思うだろう
『小さな愛』
荒れた手を握りしめ
涙と鼻みずぬぐいとる
生卵くらいの
そのげんこつが切ないね
むくわれぬ努力して
すべてが無駄だとあきらめて
「死にたい」と漏らした
その赤い血が止まらない
生きたって死んだって
この世に意味などなにもない
眠れない夜になる
その心臓は叫んでる
愛がある優しさも
だからあなたを苦しめる
小さくて、脆くて
でも美しい、ものなんだ
荒れた手を握りしめ
いつかはなにかを掴むんだ
小さくて、あったかな
その愛こそが、道になる
『空はこんなにも』
目覚める トイレに行く
カーテンを開ける まぶしい
静かな朝が 騒ぎ始める
カラスが ゴミを漁る
ふと、見上げた
空はこんなにも
動いているんだなぁって思う
私の知らない世界で
働く 休憩する
ランチする時間 孤独だ
隣の席は 会話が弾む
思わず そとに出る
ふと、見上げた
空はこんなにも
なんにも無いんだなぁって思う
すべてを手放したみたいに
眠れず お酒を飲む
ネット記事や動画 眺める
ベランダに出たら 月あかり
だれかが 働いてる
ふと、見上げた
空はこんなにも
やさしく見てるんだなぁって思う
希望があるって言うように
『子供の頃の夢』
子供の頃の夢?
ずっと子供のままでいること
働かないでいいし
ずっと遊んで死ぬこともない
大人に夢はある?
ずっと疲れて尽くしてばかり
家族は奪うだけで
老いて醜いバケモノになる
子供に帰りたいか?
帰りたいけど、帰りたくない
出会った人がいるから
それを忘れるなんて出来ない
大人になってみて?
やっぱ苦しい、残酷世界
それでも分かるんだよ
みんな仲間で、おんなじなんだ⋯と
『どこにも行かないで』
人生は川のようです
今も未来も過去になる
大切な物は壊れて
うばい盗られる何もかも
生きるとは嘘を吐くこと
だって全ては幻です
分かってる⋯けれど誰もが
いろんな役を演じてる
「どこにも行かないで」
少女のように泣いてみた
愛なんていつも裏切る
信じるヤツが馬鹿をみる
「どこにも行かないで」
そうよ自分に言っている
醜い大人になってく
誰かが見てると、想像して