『これで最後』
「これで最後⋯」
何度 使っただろうか
一生じゃなくて
一日の最後
それぐらい言った
君との別れ
あの日も ぼくは呟いた
なのに未練たらしく
何度も連絡⋯
めちゃ嫌われた
「これで最後⋯」
けっして うそじゃないんだ
本気だから言う
人の心は
なんで変わるんだろう
「これが最後」
あれは 病院のベッド
強く覚悟をしてた
手を握りしめ
一日の最後
そう 願ってた
『君の名前を呼んだ日』
辞書に占い 画数調べて
侃々諤々 討論してた
いろんな思い 詰め込みたくて
気に入るだろうか 不安もあった
なんとか決めて 病院に行き
抱っこをしてさ つぶやいたんだ
君の名前を 初めて呼んだ
にこって笑って 見つめてくれた
晴れたその日は 記念日になった
これから何回 名前を呼ぶかな
君の名前を 呼んだ日からは
ずいぶん時間が 流れていった
今はその名を 時々忘れる
かなしい病気が わたしを泣かす
それでも君は 笑ってくれる
はじめてのように
名前を…おしえてくれる
『やさしい雨音』
野良ならば ネコならば
雨の日は どこにゆく
知らぬ家 お邪魔して
甘えるか? 盗もうか?
平凡も 悪くない
飼いネコを 見て思う
愛なんて 食えないが
エサだけじゃ 満たされない
ずぶ濡れて くしゃみして
空き家へと 逃げ込んだ
ネコだって 夢は見る
自由より 安心だ
歳なんて 知らねぇーよ
生きるって イジメだな~
雨のなか 死んだなら
雨音が 最後の⋯友
やさしいなぁ やさしいなぁ
ひとりぼっちは イヤだよなぁ
『歌』
人類にとって歌は何なんでしょうか
言葉と歌とどちらが先に誕生したのか
紀元前1400年には楽譜?も残ってる
厳かな神事や労働やお祭りや恋や
あらゆる場面で歌われ心を揺さぶり続ける
歌は理性を排除して心に土足で入っても来る
私は歌いたい。
歌を作り続けたい。
歌は人類を繋げ1つにまとめる最終魔法だから
同じ歌を歌うだけで人は繋がってゆく
まるで愛のように
まるで朝に昇る
太陽のように
『そっと包み込んで』
落として割った 陶器のように
粉々に割れた 硝子のように
わたしのこころは 壊れてる
抱えきれない 悲しみの果てに
救えるなんて 癒せるなんて
軽々しく 言うな‼️
死ぬことなんて 水道水だ
ひねれば出てくる 簡単なことだ
愛するなんて 楽しむなんて
絵本よりも ウザい‼️
それでもなぜか なみだは流れる
感情は残って 夢見てしまう
しあわせなんて 望んじゃいない
だけど、あなたが、気になっちゃうんだ
命は棄てよう 臓器はあげよう
あなたはむかしの わたしのようで…
そっと包み込んで
新聞紙で、包み込んで
やさしく包み込んで
あたためて、生きて欲しいな