『フラワー』
腹の足しにもならなくて
虫を引きつけ腐る花
容姿を差別し買ってゆく
人の心のおぞましさ
復讐時代の正義感
花を摘んだら殺人者?
スターも今では厄介者で
爆破処理して大歓声
オンリーワンだと言うけれど
花の幸福、どこにある
正義も詰めれば悪になる
花は綺麗に嘘はない
花の匂いに癒されて
花の花粉に泣かされて
花を贈って処分して
誰も泣かない、それがフラワー
『新しい地図』
新しい毎日が
目覚めとともに
贈られてくる
泣いていた昨日までの
真っ黒な地図は
もうゴミ箱へ
やり直す?生き直す?
出来ないけれど
地図を書くのは…自分さ
ほんのちょっとの決意が
運命のロケット
何かを変える
ほんの一歩のその足が
新しい地図になる
出会いを作る
どんな世界があるのか?
いつか見るんだ
常に新しい道を歩いて…
『好きだよ』
ランチはオムライスと
チョコパフェがいい
「俺も、好きだよ」
休みに映画はどう?
サムライなんとか…とか
「いいね、好きだよ」
ゴールデンウィークには
万博よりUSJかな?
「それも、好きだよ」
好きだよって嬉しいけれど
どこか軽くて逃げてゆく
会ってる時間は特別だけど
いつしか惰性に感じるように
「好きだよ」
その一言であなたに落ちた
「好きだよ」
その一言でイラッとしてる
「好きだよ」
感情込めて、また恋させて…
『桜』
寒暖差を得て つぼみをつけて
咲いて、散ってく 春の花
褒美のように 華やぐ景色
そこに一年 いたけれど
桜、咲くんだ 歯を食いしばり
世界を、染めて 抱きしめてくれ
桜、ありがとー 今年も会えた
短い、逢瀬が 人の道
あなたがいれば 完璧だけど
花見しながら 酒を飲む
桜、踏ん張れ 散らないでくれ
あきらめるには 好き過ぎるんだ
桜、ごめんね がんばってたね
ボクは、綺麗に 散れるかな
『君と』
君と、は嫌
君と、だけは嫌
君と、ぜったいに嫌
そんなことは聞きなれて
期待せずに生きてきた
君と、がいい
君と、だと最高
君と、しあわせすぎる
そんな恋は叩き割り
ティッシュかわりに鼻をかむ
二人称に呪われて
一人称に閉じこもり
三人称も恐くなる
病名なんぞ付けられて
社会生活不適合
君と、それは氷
君と、それは太陽
君と、それは大きな家
「君と」その言葉が大好きで
だから嫌いなふりをした
「君と」その言葉を声に出す
奇跡の魔法は、それからだ