芝草

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11/18/2025, 12:54:16 PM

『記憶のランタン』


私の記憶のランタンは、もらい物。

「また明日」と
夕日を背景にブンブン振り回してた友の手とか。

「いい夢を」と
夜の布団の中で握ってくれた母の手とか。

「行ってこい」と
夜明け前に背中を押し出した父の手とか。

探り探りで歩む道を
やさしく照らす、私の記憶のランタンは、
そういうもので、作られておりますゆえ。

そして、いつか。

私の記憶のランタンが、
誰かの道を照らすランタンの
ほんのカケラにでもなればいい

……そう願うのは
私の傲慢なのかも、しれません。

11/17/2025, 1:03:50 PM

『冬へ』

「おはよう」と
今日の通学路で聞いた、
キミの声は、白かった。

そのくせ、
自転車のハンドルを握る
キミの指先は、真っ赤だった。

キミの白と赤がまぶしすぎるから、
私の手袋を貸してあげようかしら。

こんな口実をくれた冬へ、
ちょっと感謝をしながら。

11/14/2025, 1:05:02 PM

『ささやかな約束』


「今度はゆっくり、お茶しようね」

まるで定型文のように
キミと連絡するたび言い合っていた。

なかなか、実現できてはいないけど、
私はこれを、お決まりの挨拶にしたくはないの。

いつかキミと一緒に果たす、ささやかな約束であってほしいの。

11/12/2025, 12:33:18 PM

『心の迷路』

どちらへ向かうべきなのか。
道の選び方さえ、わからない。
私の心は、迷ってばかり。

だけど、私は思うのだ。
本当に怖いのは、
迷い込んだことすら自覚できない迷路かも、と。

だから、私は信じてる。
迷える私の心はきっと、豊かな迷路を歩んでいると。

10/15/2025, 1:03:30 PM

『愛−恋=?』


ちょっとだけ、
からかってやろうと思ったの。

数学のテストで
追試ばっかり喰らってる私に向かって
毎回ドヤるキミに、仕返ししたかったの。

そんなに数学が得意なら、
解いてみなさいよって。

問題の式を書いたノートを見たキミは、
大きな瞳を見開いたあと、
すぐに、ペンを走らせた。

考えるまでもねーよ、なんて言いながら
キミが突き返したノートには
小さな円が二つ、横にくっついて並んでた。

なんなのこれ、って
首をひねってたずねた私に、キミは短く解説した。

愛は無限だけど、恋は有限だろ。
無限から有限を引いても、無限だろ、と。

だけど、やっぱり。
私には小難しい理屈だから。

ずぅっとキミが大好きだよ、
の一言で十分なんだけどな。



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