はらはらと舞い散る。
「そっか、もうこんな季節か」
「、、、時が過ぎるのはあっという間だな」
今年の秋。
貴方は隣にいない。
「今年も来たんだよ」
覚えてる?
あの日の約束。
私は覚えてるよ。
忘れられない、忘れたくない。
そんな思い出と一緒に。
風に吹かれる度、枯葉が散っていく。
夕日に照らされながら、はらはらと。
枯れてもなお美しい。
貴方が枯れるなんてこと無いのだろうけど、
貴方もきっと、そうなのだろう。
『いくつになっても、此処で一緒に祝おうね!』
おめでとう。
最愛の人。
おめでとう。
傍にいたかった人。
生きててくれてありがとう。
産まれてきてくれてありがとう。
「ばいばい」
私が枯葉のように朽ちても、貴方は変わらないで。
「、、、はは、」
最悪な一日。
最低な一日。
「もぉ、やだ、、、」
早く眠りにつきたい。
嫌なことは忘れてしまおう。
忘れて、そう、忘れて、、、
「、、、馬鹿だなぁ、私」
「忘れられるわけないじゃん」
大好きだった。
ずっと一緒にいられると思っていた。
この先も笑い合えると思っていた。
忘れたい。
忘れられない。
大嫌い。
大好き。
「矛盾だらけ」
もういいや。
今日はとりあえず、
今までの思い出に、今日に、
さよならを。
「、、、お気に入り」
誰にも取られたくない。
「自慢したい」
嫉妬で狂ってしまいそう。
「貴方はどう?」
貴方のお気に入りは何?
貴方はどうしたら気に入ってくれる?
私は貴方のお気に入りになりたいの。
でも、
貴方の好みの女の子になっても貴方はきっと傍に置くだけ。
「、、、お気に入り」
ねぇ、知ってた?
お気に入りってね、?
宝箱に入れて、ずっと、ずっと一緒だよって、
離れないでねって、
そういう、意味なの。
「、、、ずっと、一緒よ?」
貴方は私のお気に入り。
誰よりも、好き。
誰よりも、大好き。
誰よりも、、、愛してる。
誰よりも、あの子よりも、ずっと前から。
誰よりも、貴方に恋してる。
誰よりも、貴方を思ってる。
誰よりも、貴方を、、、知っている。
でもね、?
私を愛してくれない貴方なんて、好きじゃないわ。
誰よりも、、、ね?
この光景もこの気持ちも、
思い出になる、その日まで──────
「さようなら」
「なにこれ?」
荷物を整理していると、古錆びた箱を見つけた。
所々にシールがはってある。
はじめは何か分からなかったが、
じっと見つめていると見覚えがある気がする。
「あぁ、これ、、、」
そうだ。
子供の頃の私が未来の私にあてた宝箱。
中を見てみれば、可愛らしい手紙と写真。
「懐かしいなぁ」
未来の私を案ずる言葉たちと、たくさんの、写真。
大丈夫、大丈夫だよ。
私は今、幸せだよ。
過去から未来への手紙。
今度は、未来から過去へ送るね。
「貴方は貴方のままでいていいんだよ」