好き嫌い
小さい頃は好き嫌いはあった。
今、周りからは
好き嫌いなくてすごい
と言われるほどあまり好き嫌いがない
……ようにしている。
本当は苦手な食べ物もある。
辛いのはとても苦手で、頑張って食べてるだけ。
いつから、伝えるのが苦手になったのかな。
好きな○○、嫌いな○○。
そんなの、わからない。
自己紹介が嫌い。
無関心なものは仕方がないとして、
好きなものでも決められない。
本を読むのが好き。
何を読んでるの?
ジャンルは?
……わからない。
ただ、読むのが、そこに話があるのが楽しいだけ。
これじゃなにも話が繋がらない。
やっと最近、好きな色と食べ物、趣味を答えられるようになった。
これでも、精一杯。
好き、嫌い、正直になれたらいいのに。
何も考えることなく、ね。
街
この角をこっちに曲がって、これをあっちに曲がる。
もう何度もみた、見慣れた景色。
あ、この車が通り過ぎたから今はこれくらいの時間。
この道を曲がれば遠回りだが、お花がきれい。
ここは……あまりいい思い出じゃないな。
良いも悪いもまとめて生まれ育った街。
結局、この街が好きなのだろう。
やりたいこと
ある。
いくらでもある。
でも大半は絶対に叶わないこと。
叶う範囲なら、一日中本を読んでたい、とか。
叶わない範囲なら、花畑に囲まれた家に住みたい、とか。
あ、静かにのんびり生きたい。
ただ、落ち着いた時間を過ごしたい。
朝日の温もり
朝日を見たのは数えるほどしかない。
理由は、早起きが苦手だから。
そんな数少ない朝日の思い出の内の一つ。
それは修学旅行当日の朝だった。
集合が朝早く、朝日が出る前から家を出た。
もう少しで集合場所につきそうなとき、
だんだん空が明るくなっていることに気がついた。
見ると、真っ白な朝日と、ほんのり赤い空。
空のグラデーションが虹色に見えた。
青、黄色、赤。
朝日ってこんなに綺麗だったんだ。
そう思った。
朝の空気を胸いっぱいに吸い込みながら、足を速めた。
朝日の、温もり。
眩しすぎず、暑すぎない、優しい光。
それは、心をも温めた。
岐路
あなたはある旅人。
人生という意味不明な道を歩き、次の目的地、次の目的地を目指している。
道はあるようなないような不確定なもので、
目的地にたどり着けたらどこを歩いても良しとする。
つまり、最短距離を真っ直ぐ行くも、
安全優先で舗装された道を歩くも、
危険な断崖絶壁を選んでも、
気分で水の中を泳いだり山に入ったり一休みしても
目的地に着けばどこを歩いてもいい。
さて、あなたは岐路に立っている。
右にはかわりのない、今よりもいいわけでも悪いわけでもない道。つまり安全重視。
左には、霧のかかったよくわからない道。
今より良くなるかもしれないし、悪くなるかもしれない。
より良くするために、リスクを負うならこれ。
真っ直ぐ行けば、草を分け入ることになるが最短距離。
横には茶店。
休憩して考えるなら店に入る。
そして、もう一つ。
道や、草、店でなく、
ただ思うがまま水の中、花畑の中、山の中、溝の中、家の敷地から茨の道、さらには空を飛んでみるなど最短でもないし、道ですらないし、意味不明な選択肢。
あなたならどれを進む?
私は緊急性や、重要性がなければ気分。
もし、大切な選択ならとりあえず茶店で考える。
早くしなきゃいけないなら右、もしくは最短。
を選んでいる。
後悔はいくらでもある。
けれども、全体的にはまあ、よしとしている。
だって、後悔しても
その時岐路に立ってそれを選んだ、
すなわち、未来を知らない自分はそれを最善として選択したということ。
未来なんて知ることはできない。
だから結局その時岐路に立ったときは同じ選択をしていると思うから。
もしも、を考えるのは楽しいけど
それで気分が落ちるのならばそう考えている。
さあ、あなたは岐路に立っている。
私も岐路に立っている。
今できるだけの最善の道は?
道の先には何があるのか分からない。