塗りつぶしたように青く青く光る空。
線香の匂いが鼻を掠めて、
また陽が落ちる。

何気ない味気ない１日を、
少し変えてみようと思う。

薄暗い夜にサンダルで1人
蒸し暑い風が体を通り抜ける。

夏の匂いが、
水面に咲く虹が、
視界を埋める花が
色鮮やかに物語を染める

懐かしい写真フォルダを見る。
最後の声はなんだっただろうか。
日付と景色から様子が思い浮かぶ

戻りたいな、あの頃に…
もう戻れないあの頃に。

好き、嫌い、好き、嫌い……
一つ、二つと床を染めていく。

責任の問われることのない花弁は
私の行き先を決めてくれる一つの方法。

あなたとの距離が開くたび
糸は伸びてきた。

あなたと喧嘩するたび
糸はねじれてきた。

あなたと離れた時
糸はもう見えなかった。


引っ張れば端が見えてしまうほど
糸は伸び切ってしまった。