NoName

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7/5/2023, 1:19:50 PM

暗い世界で空を見上げる。
すると、無数の星が、ぼくの瞳に映る。
ぼくが目をつぶるとそれは消えて、開ければ......、ほらまた!
ぼく以外誰もいないこの場所で、宝石のようになったぼくの両目は、いつまでも、夜の宇宙をながめていた。

6/23/2023, 11:33:24 AM

不意に歩いていると、子供たちが、こちらへ走ってくる。
狭い路地を慌ただしく駆けて、私のそばをとおりすぎ、小さな笑い声たちは遠ざかっていった。
「懐かしい......。」
私もああやって、小さい頃はどこでも、とにかく遊びを見つけて駆け回ってたっけ。そのときは、どこもかしこも秘密の場所のように感じていたのに。
高くなった背。ひどく慣れてしまった景色たち。
あの子たちにとって、遊び場の路地裏に、大人になった私は何も感じなくなっていた。

6/22/2023, 3:02:59 PM

「こんにちは。」
学校からの帰り道、ガードレールのそばを歩いていると、男に突然声をかけられた。
「少しお時間よろしいですか。」
その男は、流暢な日本語を話すが、背が高く、整った顔立ちをしていて、金色の髪に褐色の肌、マリンブルーの瞳と、まるで異国の王子のような容貌であった。
その姿は、私にとって、このありふれた世界に、あまりにも浮いた存在に見えた。