8/6/2024, 9:28:12 AM
鐘の音
「ねえ、どんな鐘の音かなあ?」
青空に鳴り響く鐘の音を想像しながら、
隣でスマホチェックをする彼に問いかける。
「え、鐘? ……除夜の鐘のこと?」
彼はきょとんとして私を見る。
いや、何でだよ! と心のなかで突っ込んだ。
「季節が違う! 今ごろ除夜の鐘の話なんかしないって!
来月、結婚式だよ!
この場合、チャペルのウエディングベルに決まってるでしょー!」
わあわあと喚く私に、眉を下げた困り顔の彼。
「決まってる、のか…?」
カワイイと思ってしまう。そういうところも好きだけどねっ。
8/5/2024, 8:16:07 AM
つまらないことでも
あなたにとってつまらないことでも、
私にとっては大切なこと。
私にとってつまらないことでも、
あなたにとってはこだわりたいこと。
めんどうだと思いながら、
どうにかこうにかやっていく。
一緒にいるなら。
8/3/2024, 9:58:31 AM
病室
病室の窓から差し込む月の光が、
とても綺麗と思うのに、
ぞっとするほど冷たく感じたことを、
ずっと今も覚えている。
7/21/2024, 5:33:27 AM
私の名前
「私の名前ってなにか意味があったりする?」
むかし母に尋ねたことがあるけど、
特に深い意味などはなかったらしい。
ちょっとがっかりした。
この名前は気に入ってはいるけど、
なにか隠れた意味がないかって、
期待してたんだけどな。
それでも父がいろいろ字画を調べて決めてくれたそうだ。
――そうか。
意味はなくても、思いは籠められていたんだね。
7/20/2024, 8:19:18 AM
視線の先には
「ねえ、」と呼びかけたら、
「どうしたの?」と柔らかく尋ねてくれる。
でも、あなたの視線の先に居るのは、
私ではないね。
知りたくなかったよ。
目は口ほどに物を言うなんてこと。