初恋の日
思い出すのは小学生の時、
なんだか飄々としていた、
足の速い男の子。
派手ではないし、
今でいう陽キャでは全くなかったけれど、
不思議にクラスメイトから好かれていた。
いいなと思ったきっかけは何だったんだろう。
全然思い出せない。
見て、たまに話せるだけで満足だった。
元気でいるといいな。
明日世界が終わるなら
嫌なことは全部捨てる。
嫌な人もその記憶も全て忘れる。
良いことと、
好きな人のことだけ覚えていよう。
捨てられないと思ってたのに、
その気になれば、捨てられることに気がついた。
届かぬ想い
伝えてみなければわからないよ。
そう言ってあなたは微笑みながら、
私の顔を覗き込んだ。
そうだねと、私は笑ってみせる。
この想いを伝えたい人はあなただと、
そう告げても、
今までと同じように、あなたは笑ってくれますか。
もうすでに大事な人がいるあなた。
このわずかな繋がりにさえ縋りたい私。
#201
神様へ
神社へ参拝する時は、どこそこの何々と申します、どうぞよろしくお願いしますと、
挨拶してからお願いごとをするそうだ。
誰かわからないと神様も困るし、挨拶なしは失礼になるらしい。
なるほど。
それを知ってから参拝時は必ず挨拶をしているけれど、いろいろと欲もあり、お願いごとがいくつかあると、手を合わせている時間がさらに長くなり、一緒に来ている皆を待たせてしまうのがちょっとした悩みだった。
あれから時は過ぎて、
挨拶は続けているけど、願いごとはだいぶシンプルになりました。
神様へ
私の大切な人たちが、いつまでも元気で幸せでありますように。
#200
これからも、ずっと
自分の気持ちのことばかり優先していた。
自分のからだのことなど、気にもしていなかった。
私のからだはとても忠実で、
こころに必ずついてきてくれるものと、
思い込んでいたので。
だけど使い続けていると、
古びないものなどなくて、
いろいろと様子が変わってくる。
小さな頃、むし歯になるのが怖くて、
サメみたいに何回でも歯が生えたらいいなあとよく思った。
今はできれば全パーツを取り替えたくなるけど、
それでも私にはこのからだしかない。
これまでもこれからも、ずっと。
最後に私の手元に残るものは、多分これだけ。
緩やかな下り坂を上手に降りていこう。
(もう少しちゃんとメンテするから笑)
#199