1/10/2024, 8:43:48 AM
三日月
日が沈み、街は暗い青に染まった。
口数少なく、
隣を歩くあなたを見れば、
西の空に三日月が細く光っている。
弧を描く光が、
まるでナイフのように胸を刺すから、
押し込めていた本音が溢れてしまうよ。
あなたに触れたいと。
#142
1/8/2024, 3:32:50 PM
色とりどり
言葉にできない想いを、この花束に託そう。
拙い言葉では言い表せない。
言葉を尽くしても伝えきれない。
そんな気持ちを色とりどりに咲く花々に込めよう。
華やかな色と香りが溢れる腕いっぱいの花束を受け取ったなら、
あなたはきっと、
素敵だねと笑ってくれるはずだから。
#141
1/8/2024, 9:44:07 AM
雪
夜空から白い雪が降ってくる。
あなたの肩にも、私の髪にも次々と降りかかる小さく凍った金平糖。
見上げれば、幾千幾万の白い雪片が、目の中に冷たく舞い落ちてきて、もう何も見えなくなった。
そばにいるあなたさえも。
#140
1/7/2024, 9:56:55 AM
君と一緒に
一人で生きるのかと思っていたから、
君と出会えた幸運が、今でも信じられないよ。
隣に眠る君に、生きててよかったと呟く。
どうかいつまでも君と一緒に。
叶うならこの息が止まるまで。
#139
1/5/2024, 3:05:56 PM
冬晴れ
冬晴れの日には、外へ出てみよう。
外気に体をさらし、
ぴりりと冷えた空気を胸いっぱいに吸い込もう。
指先の細胞まで届くように。
目を閉じて太陽に顔を向けたら、
日差しは頬に暖かく、瞼の裏はこの体を流れる血で赤く透けるだろう。
新しい年は厳しく始まった。
それでも澄んだ空を見上げよう。
#138