お題:ただ、必死に走る私。何かから逃げるように
パッと光が灯った。
私は暗闇に走りこむ。光とは逆方向にひたすら走る。
漠然とした不安が背後から迫る。大きな音や無邪気な声。
全てを振り払うようにして暗闇の奥のさらに奥へ
似たような様子の仲間と共に闇に沈みながらやっと羽を休めることができた。
タイトル
G目線
お題:月に願いを
繁華街から離れた寂しいこの場所はひんやりとした夜風と静寂に包まれている。
あまりの静けさに少し身震いをする。
「どうしてこんなことに」
空を見上げると吸い込まれるような暗闇にただ月が美しく輝いていた。
すがるように月に祈りを捧げ、無事に明日を迎えられることを願った。
タイトル
終電寝過ごしたヤバい
お題:逃れられない呪縛
小学生の時祖父の家に遊びに行った。祖父の家には歴代の家主の写真が飾られておりみんなそっくりに見えた。
社会人になり数年ぶりに実家に帰り父親に久しぶりに会った。少し照れくさそうに笑う父親に祖父の面影を感じた。
頭の後ろに手を回しつつ僕も照れ笑いを返した。
手に触れた髪の感触は忘れることにした。
タイトル
遺伝
お題:昨日へのさよなら、明日との出会い
朝、日めくりカレンダーを1枚破いて今日の日付を確かめる。
手に握られた昨日に思いを馳せつつゴミ箱に投げ入れる。
ゴミ箱にはたくさんの昨日が捨てられている。
夜、カレンダーを1枚そっとめくって明日の日付を確かめる。
明日の朝カレンダーを破って明日が今日になる瞬間を想像する。
今日の自分と明日の自分は同じ人間なんだろうかなんて哲学的なことを考えながら明日の自分に「頑張れ」とエールを送った。
タイトル
夏休み最終日宿題やってない
お題:理想のあなた
あなたに最後に会ったのは3年前のこと。
「あなたってほんとに色白だよね〜」
「目もパッチリ」
「くびれも綺麗で羨ましい」
「目立つから注目されて憧れの的だったよね」
「今は人の助けになることを一生懸命頑張ってる」
「……こうして口にしてみると、私にはあなたより優れてるところなんてどこも無いのかもしれないけど、
実は私は私なりに理想の自分になれるように頑張りたいと思ってるんだ」
「色々話聞いてくれてありがとうまたこのお店で会おうね」
タイトル
はま寿司のペッパーくん