あらたしい日のために扉が閉まります、白線の内側におさがりください
押絵のことを思い出す
やわらかい頬を車窓に押し付けて眠る子どものことも
恋するために出かけたわけじゃない
だからせめて絵の中で生きていたかった
生きて息をしていたかった
缶チューハイをすするときの、アルミの鉄っぽさが嫌
上野に着くまでに飲みきらないと、旅が終わらない
子どものまま大人になったから、旅が終わらない
帰りたくないって泣けるまで、旅が終わらない
了らない、追わらない、負わらない……
……
……
/旅路の果てに
魂の温度に期待してる
歩く度気が触れたみたいに空気に触れる
書を捨てよ
書を捨てよ
家だらけの部屋を出て、わたしたちは往く
往くために往く
バーチャルの惜字炉の、その場所へ
街へ
/街へ
海の底には雨が降るのかしら
雨でできた生き物になりたい
不純物だらけの純粋な雨。が。
降る日。わたし。わたしは。
わたしになりたかった。
。 。
。 。
。
。
。
。
水泡みたいな星座と、星座みたいな水泡がひかっている
わたし、何も知らないで生きをしていた
。
どうやって海ができるの
どうやって陸ができるの
。
底はどうやって測るの
其処は、どうやってどうやってどうやったら、生まれてきてよかったって解るの
/海の底
(久しぶりなので、感覚を思い出しながら)
今日の惑星は嘘ばかり
真夏っぽく暑いのはあの扉を綴じわすれたせいらしい
知らなかった
知らなかった
知らなかったって言えば、悪くないことにならないかな
寝覚の月はまだ長くない
10歳のとき、水晶体の平面ウサギがわからない私になったから
だから私、ずっと月の裏側みたいになりたい
/夏の忘れ物を探しに
ビルから足を踏み出すとき、墜落じゃなく飛翔の夢を見たい
嘘みたいな嘘が本当になる 紙ヒコーキのプロペラで指を落とす
なんかの裏紙もアルミも祈りも夢も全部羽根
わたしはどこにだって行ける
/飛べ