下弦

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12/24/2024, 12:49:35 PM

美味しいゴチソウ作ろうか

早くツリーを出さなくちゃ

あったかいおうちにもう帰ろう

いちごのケーキを買ったげる

サンタさんは来るかなあ

プレゼントはなんだろうね

雪が降ったら遊べるね



ぼくとわたしのクリスマスイブ

どうか枕元の靴下は、明日の朝には膨らんでいますように

12/22/2024, 10:46:00 AM

地元に帰ってくると、ふとこの匂いを思い出す。
たくさん近所からもらって、毎日お風呂に四つ、五つ。
とぷん、といれると瞬く間に広がる良い香り。
都会の一人暮らしでは、滅多に出会えない。
買おうとすると一個が凄く高い。そもそも買う感覚もない、だって貰うものだから。
仕方ないので入浴剤一つ。湯船にとぷん、しゅわー。
「あ」
ふとゆずの香りが広がった。

12/1/2024, 1:13:19 PM

この世全てに値札を貼ったなら
きっと貴方の値段は紙がいくらあっても足りないわ
そう 美しい 麗しい 綺麗 可愛い
見るもの全てを惑わせて 自分を買わせたくするの
周りの商品なんてお構いなしよ
いつもベストセラーは貴方だけ

私は到底届かないわ
誰かに手にとって貰うことも
貴方を迎え入れることも
全部 全部
叶えさせてくれないのね

ああ なんて

遠いトコロにいるのかしら

11/28/2024, 11:02:09 AM

もう少しだけ、この崩壊する世界の中で
ふたりだけの時間を頂戴
崩れゆく世界の中でさよならを言う僕は
どうしようもなく苦しくて 助けて欲しくて
終わりたくない 終わらせたくない
終わらせないで

ああ 神様

10/27/2024, 10:55:34 AM

シェルフから皿を取り出し、彼女はにこりと笑う。
午後三時、いつもの御茶の時間。
ケーキスタンドにお菓子を並べ、いつものように椅子に座る。

長女の席にはダージリンのストレート。

次女の席にはアールグレイのミルク入り。

三女の席にはニルギリのレモン付き。

四女の席にはローズヒップティー。

それぞれ好きなお菓子を目の前の皿に置く。

ショートケーキ、マカロン、フルーツゼリー、スコーン。

広い広い食卓、紅茶の香りが充満する中、私はアッサムをこくりと一口、チョコレートをお供に味わった。
四女は静かにスコーンをジャムと食べ、上品に紅茶を飲んだ。

広い広い食卓、紅茶の香りが充満する中、
私と四女は静かに上の三姉妹の帰りを待っている。

もう三人帰らぬ人となったことを知りながら。

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