フレア姫

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10/30/2023, 9:16:03 AM

お題 もう一つの物語

この星にもう一人の僕がいたとしたら、その僕はどんな暮らしをしているのだろうか?どんな服を着て、どんなものを食べて、どんな人と関わっているのだろうか?

「そんな事考えるなんてバカげてるな」

独り言ちた。どうやら僕は日々の忙しさに疲れているようだ。もう一人の僕がいたとしたら、この僕と代わってほしい。僕はどこか違うところへ逃げたい。とにかく助けてくれ。

「そうか。そんなにこの僕と代わりたいかい?じゃあ、代わってやろう」

突然天上から、僕そっくりの声が轟いた。まるでこの世以外からおりてきたかのような。

そして辺りの風景が一変した。見渡す限り虹色の花々で彩られた景色だ。

「ここなら誰にも邪魔されない。花咲き乱れる楽園だ。ここで暮せばいい。永遠に」

なんだって?永遠にだと?美しい風景だが、永遠に過ごすなんて地獄じゃないか!

僕は元の世界へ戻る方法を求めて、当て所なく彷徨う事になった。こんなところへ連れてきたもう一人の僕が見つかればきっと……探し出してやる!

10/29/2023, 6:35:06 AM

お題 暗がりの中で

暗いのは嫌い。なのに暗くしないと寝られない。わがままだなと思う。

嫌いな理由。何があるのか見えない不安と恐怖。昔行ったお化け屋敷がトラウマになっている。モノが倒れたとか、何かしらが現れたとか。でも一番怖かったのは、最後本物の人が、突然現れて脅かしにきたのだ。思わず母さんにしがみついて泣きじゃくった。

あれ以来暗がりは怖くなった。
だが、暗くしないと眠れない。些細な光でも気になって寝られないからだ。今夜も真っ暗にして寝る。何も出てこないことを祈りながら。

10/28/2023, 8:55:56 AM

お題 紅茶の香り

紅茶の香りがするフレグランスを見つけた。ふわりと香る濡れた茶葉の匂い。なぜか不思議と心が落ち着く。小洒落たカフェでシフォンケーキを頂きたいような気分。

「紅茶の香りはストレス減少と、寝付きを良くする効果もあるそうですよ」

側にいた店員がそう話しかけてきた。確かに落ち着くと眠くなりそうな香りだ。私は香水をつけたりはしないが、夜寝る前くらいなら構わないだろう。

「これ、いくらですか?」

今夜が楽しくなりそうな予感だ。

10/26/2023, 11:10:53 AM

お題 愛言葉

なんだろう。その一言が出てこない。大切な相手への、大事な一言なのに。口をひらいて言葉を発したいのに、胸がつっかえて言えない。もどかしくて辛い。

「じゃ、またな」

言わなきゃ、言わなきゃ。今言えないと後悔する。後悔したくない!!

「ま、待って」
「うん?どうかした?そんな顔して」

私は身体を震わせながらその一言を口にした。

「私、あなたのことが…」

その先を言おうとした時、

「好きだよ」

機先を制して大事な一言を相手から言われた。

「わ、わたしもあなたが好きよ」

その一言こそが、本当の愛言葉だったんだと、やっと知ったのだ。

10/26/2023, 12:37:33 AM

お題 友達

俺はあいつにとって、大切な友達と思ってくれているのだろうか?自分に聞いてみても分かるはずなどない。
友達とはいったい何なんだろう。

もやもやしたままあいつと一緒にいるのはキツイから、思い切って聞いてみた。

「なあ、俺のこと友達だと思っているか?」

あいつはこう答えた。

「友達に決まってるじゃん。当たり前だろ?そうじゃなかったら一緒にいないよ」

そうだよな。一緒にいるのが当たり前だから分からなくなってたんだ。あいつはごく自然と友達だと思ってくれていたんだ。

「ごめん、変なこと聞いたな」

あいつはにこっと笑いかけてくれた。
それでいいんだったな。友達なんてのはそんな感じなんだな。そっと心の中であいつに感謝した。

ありがとう。

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