波音に耳を澄ませて
ただ風に身を任せていた
このまま身を投げたら
自由になるだろうか
そんなことを考える
きっと私の中から消えることのない思い
それだけをいつまでも抱えていく

青い風を感じた
それは空をそのまま流したような
そんな風だった
空から海に向かって吹くその風を
優しく感じたのは初めてだった
空が過去なら海は未来だろうか
そうして地平線が現在なのだろう
どこまでも青い蒼い空から吹く風だった

どこか遠くへ行きたいと思うことがある
大切なぬいぐるみだけをつれて
誰も私を知らないところへ
寂しさのあまり死ねるならそれがいい
けれど思う
私が死んだら泣くと言った君を
学生の時以来涙を流さなかったのに私のことで泣いた君を
人に泣いたところを見せたくない君を
ひとりにしたくはないなと
悲しませたくないと思うから
きっと私は生きていくんだね

世界中に溢れるクリスタル
心を奪われることばかりだけれど
自分だけのものはなくて
誰かが持っているクリスタルに
心を留めては立ち止まる
欲しいのかと聞かれたらわからない
それでも綺麗なものは綺麗なままで
それを綺麗だと思える心を大切にしたい

夏の匂いがする
うだるような暑さに
じりじりと音を立てる空に
靄がかかりそうな景色に
伸びきった雑草に
外と中の温度差に
焼けるような太陽に
そのすべてに夏を感じる
一年で一番嫌いな季節がやってくる