雨の香りがして頬が濡れたから降ってきたのかと思った
空を見上げたら濡れてはいなくて
目を弾いたら涙が飛んだ
頬が濡れたのは私の涙で
涙の跡を雨だと思うくらいには
きっと私は泣くことに慣れていなかった
やっと泣けたのかという気持ちと
いいものではないなと思う
この涙雨は私を救うだろうか
今はわからなかった

心と心を編み込むように糸を繋ぐ
端と端をに糸を絡めて
解けないように結ぶ
固く結ぶと解けてしまうけれど
やさしく結んで柔らかくしたい
結び目がわからなくても心は繋いだままいれるように

届かないのに月に手を伸ばした
1cmでもいいから近付きたくて
必死に手を伸ばしたけれど
届くはずもなかった
月に焦がれて夜を見上げた
それだけでよかったのに
どうして届かないのに手を伸ばしてしまったのだろう

記憶の地図を辿ったら
一番に辿り着く場所がある
それは私の原点で
それは私の分岐点
手放すことは出来なくて
抱きしめることも出来なくて
ただその地図は正確で
わざと迷うことすら出来ない

お揃いのマグカップで紅茶を飲む
それがふたりの決まりだった
喧嘩をしてもマグカップで紅茶を飲めば仲直り
ふたりが好きなのはアールグレイ
夏でも冬でも変わらずに温かいものを
1杯いかが？
喜んで