わざと空に向かう傘を斜めにして
バス停の後ろの方で
誰にもバレないようにキスをした
顔を離して「内緒だね」
って笑い合う
そんなふたりでずっといたいとそう思った

雨上がりに傘を畳んで空を見上げた
雨上がりの空には虹が架かって
きっと架かる前は雨を弾いていたのかもしれない
水溜まりに空が映り込んで
傍に咲くたんぽぽに雨が光っていた
優しくはなれない私のことを
雨が流してくれた
傘が隠してくれた
けれど雨が止んだから
振り切って前に進みたいと思う

勝ち負けなんて気にしない世界線で生きて
勝ち続けることはつまらなくて
学びのない負けは次に繋がらないから
勝っても負けても楽しくいたい
勝てば楽しいは私にはわからないから
勝ち負けなんてやっぱりどうでもいいかな

まだ続く終わりの見えない物語を
少しだけ休むことは出来なくて
人生が一冊の本だとするなら
私は今どのくらいだろう
佳境を乗り越えて一度谷にいるのだろうか
私の人生はどこに続いているのだろう
先も終わりも見えない物語を
これからも生きていくために
なにをすればいいのだろうね

きっと君は渡り鳥なんだね
秋から冬に私のところへやってきて
春から夏にまたどこかへ行ってしまう
そんな君を好きになった私は
けれど君を追いかけることなど出来はしない
いつまでも心だけが置いてけぼりで
君のことを探している