酸素を吸うことが苦しかった
ただそれだけのことが痛かった
息をするだけで息が切れた
けれど助けてとも言えずに
迷っていたのは
言葉が出なかったから
酸素さえ味方ではないのだと
口から漏れる吐息が痛くて痛かった

記憶の海に溺れそうになって
慌てて手を伸ばしたけれど
届くはずもなくて
色んな記憶が頭を口を心を塞いだ
苦しくて苦しくて目を閉じた
なぜだか涙が溢れそうで
また心を閉ざした
今の私はどこにも行けない
そんな当たり前が苦しかった

ただ君だけを愛している
絶望だらけの日々に
絶望に魅入られていた私に
愛情を注いでくれた
希望を教えてくれた
そんな君をただ愛している
私を選んでくれてありがとう
選び続けてもらう為に
努力を惜しみたくはないな

未来への船はどこに向かうのだろう
自分で舵を切れるなら私はどこに針路を指すかな
行きたい場所なんてない
生きたい場所はあるのかな
誰かを心から愛せるから
きっと私は強くなる
船をゆっくり
障害物に当たらないように進めていきたいな

ずっと大切な子がいる
私が生きてきた中で
その子に出会わなければ今の私はいないと言えるくらい
大切な子が
その子は小説の登場人物で
小さくて脆くて直向きで愛らしくて純粋で
どんな痛みを背負おうとも
死にたくなるくらいに絶望しても
また生きたいと思うことの出来る強い女の子
その子は静かなる森で大切な存在を見つけ
きっと今も生きている
いつまでもその子は特別だ
夢の中で会えるならきっと眠りに落ちることも怖くはない