好きだよ
何回思ったって伝えきれはしない
何回言葉にしたって足りることはない
それでも伝えなければ伝わることはない
言わずにわかってもらおうというのは
甘えではないかと思ってしまう
言葉にせずとも伝わるのなら
メッセージ性のあるものは普及しないだろう
だから身体が動く限り
好きだよと伝えることをやめたくはない

桜が咲いているね
蕾が花開いて空に向かう様を
春が来たと嬉しそうに笑う人がいた
薄桃色の小さな花を
まるで幸せみたいに見上げて
「綺麗だね」と呟くその人が
私は誰よりも好きだ

君とこれからもたくさんの思い出を作りたい
たくさん笑ってたくさん泣いて
たくさん悩んで悩んだ果てにも一緒にいたい
君が好きだよ
世界で一番好きだ
君と過ごす日々は宝物だよ

空に向かって手を伸ばす
雲も星も月さえも掴めるはずはないのだけれど
それでもいいと迷うことなく手を伸ばす
水溜まりに映った空になら届く気がした
水溜まりに映った月をかき集めようと思った
けれど
水面が揺らいで掴むことは出来なかった
伸ばした手は夜空に触れることなく
明日が掠めた

はじめまして新しい春
春とはいえまだ寒い日が続いているけれど
だからかな
気持ちもまだ春にはなっていないけれど
暖かくなれば少しは変わってくるのかな
春先はいつも気が重くなる
忘れたいことや忘れられないこと
たくさんあるな
それでも生きていることが一番だと
そう思えるだけいいのかな