高く高く飛んでいけ
私が愛せなかった世界も
私が愛した人たちも
私を愛してくれなかった人たちも
思い出も翼になって飛んでいけ
20代最後の夜
10代最後の夜とは違う世界の見方を
確かに教わった
随分と大人になってここまできて
変わらなかったのはなんだったろう
けれど君といれてよかった
君がいてくれてよかった
誕生日前に最後に一緒にいるのが君でよかった
私はずっと君が好きだよ
子供のように迷子みたいな顔をしていた
誰かいなくてどこに行けばいいか分からなくて
途方に暮れたみたいな顔をして
それでも泣かずに待っていたよ
でも現れなかったよ
何も誰もいなかった
寂しかったなんて言えなかった
助けてなんて言えなかった
ねえ、私はどうすればよかったの
放課後自転車の後ろに乗って
帰り道を笑い合って走った
時々きみが自転車を押して駅まで話して帰ったっけ
友だちだと思っていたよ
多分いつまでかは
大人になった今放課後なんてないけれど
聞こえないはずのチャイムが鳴り響いた気がした
部屋のカーテンは紺色の星空みたいなカーテンで
陽射しが当たると紫になる
とてもお気に入りで晴れの日は綺麗だと思うし
雨の日は夜空が部屋の中にあるみたいで
この部屋は落ち着く
カーテンを開けるのをつい忘れてしまう
太陽は嫌いだったけれど
カーテン一枚を通して少し好きになれた
引っ越す時にこのカーテンにしてよかった
私の自慢だ
涙の理由を君は知っている
私がどうして零れる雫を止められないのか
何回も泣いたなぁ
君のことじゃなく自分のことで
君が心配で泣いた日のことは話していないけれど
明るく振る舞う私は
君にとって活力足り得ただろうか
ねえ、今の君に私は何が出来るかな
会うことが救いになるのならいい
けれど無理をさせたくはない
特別な日なんて君となら幾らでも過ごせる
会いたい気持ちと会って大丈夫なのかという気持ち
難しくてまた泣きそうになってしまうね