誰か、いないか？
ここはとても暗くて孤独だ。

誰かの訪れをもう何年何十年、何百年、いやもっとか？
気の遠くなるような時間がたった。

もしかして私も、もう存在はないのかもしれない。

きみは遠い
きみの姿は僕には見えない
かすかな君の、存在を
確信できるような
遠い遠い足音だけでも聞こえれば。
君の足音は
きっと僕からさらに遠くに
離れていくものだろうけれど

長い旅の先、たどり着くと
そこはもう目的地ではなくなる。
その繰り返しのなかで、いつか人生が終わる日まで
わたしは在り続けるのだ。

それはいつも私に覚束ない不安を。

空を見上げると、雲は朝日の色に染まっていた
澄んで青い空は、高くて
ああ、こんなところに来たんだなと
道行きを思う。
わたしの日々も、季節は秋だ。
どうか実り多い秋でありますようにと祈る。