5/10/2023, 12:34:34 PM
旅立ちの日
無人駅で
見送る僕を
君は、冬のブーツのまま
足音だけを残して
列車に乗り込んだ
そう
出会った日も確か
こんなあたたかな陽気だったっけ
3年前
「あっ、肩にモンシロチョウ」
僕たちの出会いは
偶然だったのか
それとも
必然だったのか
それを知るのは
あの日、君の肩に止まった
あの白い蝶だけなのかもしれない
あの春以降、
彼には一度も会っていない
だけど
出会えたこと
僕は幸せだよ
春色を舞うモンシロチョウに、君を重ねる
✳︎モンシロチョウ✳︎
5/9/2023, 12:34:56 PM
働くことの楽しさを教えてくれたのは彼だった
日中、寝て過ごしてしまった休日
一番星の見える頃
慌てていつもの場所に歩きにくる
この時間がやってくることが嬉しかったかのように
段々と深い青になる空も
皐月で生い茂った深い緑達も
今日も私の側にいる
歩く歩幅にあわせるかのように
まだ少しひんやりとする
夜風と新緑のにおいは
別れた、随分と昔の彼のことを運んできた
口数が少ない穏やかな彼は
庭師の仕事をいつも楽しそうにしていたんだ
忘れられない、いつまでも
私はまた
休日にきっとこの場所に歩きにくる
✳︎忘れられない、いつまでも✳︎
5/8/2023, 3:06:57 PM
一年後の景色はどんなだろう
今より鮮やかに見えるのかな
それともくすんでるのかな
鮮やかなら周りに笑顔を
くすんでるのなら木陰で一休みしょう
どんな一年後も
一歩一歩に
きっと意味があるから
年輪のように
力強く、優しい存在でありたい
✳︎一年後✳︎