未夜野

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11/3/2023, 11:15:47 AM

鏡の中の自分

赤く大きくなった鼻
腫れた瞼
充血した目
へらへらと笑う

「不細工だな」

バチンと鈍い音

嫌気がさす

咄嗟に閉じる瞼が憎たらしい

「逃げるなよ」

眉間に皺がより
こちらを睨みつけてくる

嫌われているようだ

どうして

ただそれだけが浮かぶ

どうして生まれてしまったのか
どうして生きてしまったのか
どうして死んでいないのか
どうして、どうして、

掻きむしる胸元と
締められる首

どうして、
私は大切にできないのか

11/3/2023, 6:06:24 AM

眠りにつく前に

ありがとうを言う

今日も一緒にいてくれてありがとう
今日も話を聞いてくれてありがとう
今日も君だけは味方でいてくれてありがとう
見捨てないでそばにいてくれてありがとう

返事はないけど

目は瞑ったままだけど

私の腕枕でゆったりとする温もり

涙で濡れて
寄り添って眠る

10/26/2023, 3:00:03 PM

愛言葉

私が手を出せば

疲れた顔をすれば

何だか沈黙が多ければ

動きが騒々しければ

ただいまが聞こえれば

両手を広げれば

名前を呼べば

愛言葉の合図

『 』

10/25/2023, 6:10:33 AM

行かないで

さっきまで和やかに話していたはずなのに

バタンと音を立てて
引き離された

唖然とする
なぜか進めない

どんどんと進み離れていく背中を
必死に見つめる

声は出なくて

何か言わなきゃと頭の中が焦る焦る

やっとの思いで発した一音に
背中が振り向く

大きな笑い声

混乱

残響は刺さったまま
和やかな輪に迎え入れられる

ざりざり

行かないで と引き留めた場所は
もういらない に変わってしまった

10/21/2023, 12:23:04 PM

声が枯れるまで

歌ったあの曲をまた聴いた

引っ掻き回される感情

全てを見えなくしたい
聞きたくない
向かい合いたくない

あの感情が
今になって言葉になる

ただひたすらに歌っていた

うるさいと怒鳴られても
下手と傷付けられても
人から見放されても

どうでも良かった


それくらいに
生きる術だった


私が私を確かめる時間

ここにいる

まだいる

生きている

残酷で快感

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