Machi

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9/30/2024, 12:20:11 PM

【きっと明日も】



「きっと明日もいい天気になるはずだよ」
そう言っていた君は、今日学校に来なかった。
そして雨が降った。
君には似つかわしくない天気だ。雨の匂いが鼻について、湿気で服が肌に張り付いて苛々する。
君は雨の日、学校に来ない。
僕は君に会うためだけに、天に祈る。
晴れにしてください。雨を降らさないでください。
彼女に会わせてください、と。

9/20/2024, 12:33:36 PM

【大事にしたい】



大事にしたいものがある。

心を、感情を、愛を、記憶を、時を。
空を、海を、太陽を、植物を、風を。


美しくて愛おしい地球を、大事にしたい。

9/15/2024, 11:24:47 AM

【君からのLINE】


私は、捨てられなかった。
君との思い出を。もう二度と更新されない君からのLINEが保存してあるスマホを。
もう電波も繋がらない、送信不可と表示される文も無視して私は何度もLINEを送る。
もしかしたら返してくれるかも、なんて叶うはずのない希望に縋って。
何度スマホを変えても私は、捨てられなかった。

8/16/2024, 2:57:30 AM

夜の海を見つめる。
潮騒に耳を澄ませば、自分の悩みを消してくれるような気がする。
決してそれは掻き消すといった類ではなく、言うなれば覆って隠してくれるような、そんな音。
夜の海は恐ろしい。それと同時に、とても美しい。

8/15/2024, 1:57:32 AM

自転車に乗って坂を下る。
生温い風が頬を勢い良く撫で、前髪がバサバサと乱れる。
汗が背中や首を伝うが、それすら愛しい。
一つ、大きな赤い屋根の家が見えてくる。その奥には海が、自由が広がっていた。
潮騒と海の匂いを全身に感じながら、自転車を止める。
その家に入る前に、庭の柵に身を乗り出して息を思い切り吸った。
少し酸っぱい、夏の香り。
晴れ渡る青空を少し見つめてから、柵を降りて家の玄関に向かう。
赤い屋根と青い空がよく映える。やはりこの季節は、世界全体が格別だ。見慣れたものでも初めて見るものでも、どんな景色も美しい。
ガチャリと鍵を回す。少し錆のついた、古風な鍵。年代物ではなく、こういうデザインだ。
扉を開く。優しい木の香りがする。
風がそよいで、木が揺れた。

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