#21【小さな勇気】
※同性愛要素を含みます
「やめてあげてよ…!!」
僕はその日、からかわれていた君を助けた。
助けた、と言うか勝手に身体が動いたのだ。
「はぁ?勝手にすれば。」
からかってた人たちは離れていく。
「あり、がと…」
「いいんだよ!じゃね〜!」
その頃の僕は、助けた人が恋人になるなんて知る由もない。
#20【わぁ!】
※同性愛要素を含みます
「わっ!!」
俺は曲がり角で、君を待ち伏せて大声を上げる。
「ぅわぁあぁ!」
すると君は腰を抜かして尻もちを着いた。
驚かせすぎたか…?
「んも〜!最悪…」
「ごめんごめん、なんか反応気になって笑笑」
「ゆ、許さん…」
俺はその後、なんとなく一人反省会をするのだった。
#19【終わりない物語】
※同性愛要素を含みます
「俺のこと好き?」
同居している恋人から、急にそう言われた。
付き合ってるけど…恥ずかしくて言えない。
「な、何…!?急すぎ…!」
「いいじゃん!言えって、俺しか聞いてないし。」
君は僕にくっついて、耳元で言う。
僕が耳弱いの、知ってるから…
「………好きだけど…何、」
「さっすが。」
僕たちの物語は、まだまだ続く。
#18【やさしい嘘】
※虐待の表現を含みます
幼少期のこと。
ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。…
俺は心の中で何度も唱えた。
口でも、何度も。
「ほんと迷惑…出てけ。」
出ていけばどうせ止められるかと思いきや、何も言われなかった。
「どーしたの?」
そんなとき、声を掛けてくれたのが君。
君は痣と傷まみれの体で、俺と同じだった。
「家出…的な…」
「…大変だったよね、ぼくが守ってあげる!」
「え…?」
君だって。
俺と同じ境遇のはずなのに。なんで。
君がついたのは、やさしい嘘?
翌日、君の遺体が君の家で見つかったのだった。
#17【瞳をとじて】
※同性愛要素を含みます
「ん…」
瞳を閉じると、君の気配をすぐ近くで感じる。
「いい、?」
「いいよ。」
僕がそう言うと、君と唇が重なった。
「好き…」
「ふふ、僕もだよ。」
…この後は、想像に任せるよ。