"私だけ"
そんなことは一つも無い。
"私だけ"なんて思っても
それはただの思い込みなのだ。
だから
君達には思い詰めないでいてほしい。
心の何処かで
"当たり前のことができても凄くない"
そう思っていませんか?
"当たり前"のことができる貴方は凄いのです
貴方はもっと喜んで良いのです
貴方はもっと褒められて良いのです
"当たり前のこと"なんて
簡単にできることではないのですから
『私の当たり前』
_少しお題とはズレていますがお許しを
夜、近所の子供たちがはしゃぐ声がする。今日は何かあったかなぁ?とふとカレンダーを見た。
「あ、七夕かぁ…」
そう。今日は七夕である。もう最近はどの行事にも参加していなかったから、忘れていた。私も子どもの時は喜んで短冊に願い事を書いてたなぁ。
「ふふ、懐かし」
それにしても不思議だなぁ…短冊に願い事を書くだけでも楽しかったの。織姫と彦星が会えますようにーとか、そんなのとばっかり書いてたっけ。あの頃はほんと、楽しかったなぁー…。
「家に良い紙あったっけ…」
_七夕_
ジリジリと暑い七月の夏の日。
僕はアイツと出会い、友達になった。
アイツは見たこともない綺麗な見た目をしていた。
そんなアイツは夏の終わりとともに消えた。
まるで夏の妖精のように。
そして七月が始まった今日もまた、僕はアイツを探している。
_友だちの思い出_
『あの丘で待ってる』
これは君が僕宛に送った最後のメッセージだ。
学校帰りの電車、いつも通りスマホを見ていた。電車がいつもより揺れていて、僕は間違えて天気予報アプリを開いた。すぐに閉じようと思ったが、僕の目に一つ、気になることが書いてあった。
〘今夜は流れ星がふるでしょう〙
流れ星、それを最後に見たのはいつだったろうか。僕はふと考えた。確かあいつと一緒に見たのが最後だったか?僕はうっすらと残っている記憶を思い出した。そんな僕は思わず君にメールを送った。
『今夜、流れ星見ない?』
もう5年程会っていないけれど、あの日君と見た流れ星を思い出して、また君と見たいと思った。
数分後、案外すぐに返信がきた。
『うん。良いよ』
君は難なく了承してくれた。
『またあそこの丘で見よう』
僕は思い出のあの丘で見ようと思い、メールを送った。
『あの丘で待ってる』
君から"あの丘で待ってる"とメッセージがきた。僕は途中の駅で降り、走って丘へと向かって走った。
そして丘へとついた。だがどうやら僕が速かったようで、君はまだいなかった。そこから1時間、2時間と経ち流れ星が流れ始めた。君はまだこない。
「おっせぇなー」
僕はそろそろ来ないかと周りを見渡した。その時、近くに花束が置かれているのが見えた。
「…花束?」
なんでここにこんなものがあるんだ?ここで人でも亡くなったのか?
「……あ、忘れてた」
僕はあることを忘れていた。僕はここで亡くなった人のことを知っている。親友だから。そして僕の親友はたった一人だ。そう、その一人は僕が今待っている君だ。本当は、僕が君と流れ星を一緒に見たことなんて一度も無い。ただの僕の夢にすぎない。いや、実現しそうでしなかった。夢のまま放置された夢。それがただ掘り起こされただけだったのだ。今日、僕が君に送ったメッセージへの返信なんて無かった。僕が見ていたのは5年前の君とのメッセージだ。僕が君と一緒に星空を眺めて、流れ星に願いを託すなんてことは一生叶わない。
「…また、お前と一緒に見れなかったな」
「ううん、一緒に見れたよ」
_星空_