今はたった一輪だけど
来年になればきっとたくさん花を咲かせる
ありえないとこまで種がとんで
毎年毎年どんどん広がっていく
最初は一人でも
どんどん周りに人が増えていって
友達の友達も知り合いになって
どんどん人脈が広がっていく…
そんなの無理だよ。
君はいずれたくさんの花畑の一部になれるんだ。
僕とは違って。
一輪のコスモスに語りかける。
僕は悲しくて劣等感に苛まれて
コスモスを踏んだ。
一年後
ここで強く美しく咲くコスモスを見て絶望する。
#一輪のコスモス
静寂の中、ひとつの光が差す
溢れ出てくる熱量を持った願望に
嬉しいような照れくさいような
眩しいはずなのに君しか見えない
忘れられない
この感覚を恋と呼ぶ
#静寂の中心で
誕生日おめでとう
あなたにとって
たった1人、誕生日を祝った特別な女の子になりたくて
柄にもなく送ったメッセージ
何もつかない吹き出しに動かないメッセージ欄
あぁ、見つけてもらえず宙に浮いたこの言葉は
この気持ちはどこにいくのだろう
誕生日おめでとう
今年もまた行き場のないメッセージを送る
#既読がつかないメッセージ
心の空白を埋めてくれるのはあなただけなのに
どうしていなくなったの?
何をしていても
心にできた空白は埋まらなくて
喪失感と憤りと後悔
自分は存在しているのだろうか
生きられているのだろうか
わからなくなる
#空白
なんか変だなって思った信号
まあ、ちゃんと動いているし問題ない
そう思って信号が変わるのを待っていた
白杖を持った方が横断歩道にたどり着く
キョロキョロしながら
赤信号なのに進んで行ってしまう
え、?
周りの人達も動揺しているのが伝わってくる
追いかけようとした時
急ブレーキの音
ギリギリで車が止まっていた
尻もちをついているが白杖を持った方も無事のようだ
後々分かったことは、
信号機の音に異常が起きていたということだった
青信号の時に鳴るはずの鳥の声が赤信号なのに鳴っていたと、
車の音がしていておかしいと思ったが信じて渡ってしまったということだった
その事があってから、
信号をちゃんと見るようになったし音にも耳を澄ますようになった
そして、誰かにとってはどうでもいいことでも誰かにとっては大切なことで個人を尊重していかなきゃと思った
#信号