かなしあそばせ

Open App
9/29/2024, 11:16:20 AM

「なあ 晩御飯いつ?」
パジャマ姿の夫にそう尋ねられた
少しイラッとした
でも
「しー」
今、私の赤ちゃんが腕の中で眠っているのよ。
そんな風に目で訴えた
夫はどこかへ行ってしまった
ああ、外で食べてくるのかしら
そんなことを思わざるを得なかった
私は今、ストレスと天使を抱いている。
それから暫くして夫がどこからか帰ってきた
何を食べてきたのだろう
「あの……春雨スープと唐揚げ弁当でいいか?」
え、買ってきてくれたの?
夫の手にはビニール袋が1つあった
「い、いいけど……」
夫は袋から丁寧に弁当を取り出し、蓋を開け、レンジで温める。
「あなたがわたしの為に弁当なんて、明日は雪でも降るのかしら。」
斜め上を見ながら夫に言う。
「今までごめん。」
へ?予想してない答えが返ってきた。
だって夫は……夫は……
「でも、もう終わるからこんな辛い日々も。
もう。」
涙が出た。ぽろり、ぽろりと。
遅いじゃない、怠け者の夫め。
「じゃあ、これからは2人で……グスッ」
どうしようもないくらいの雨粒が”私たち”の赤ちゃんにも落ちそうだ。それを見兼ねたのか夫が私に近づき、私が誕生日にプレゼントしたハンカチでふいてくれた。これから、始まるのね。私たちの物語が……。
「スープ、熱くないか?」
「ええ、丁度いいわよ。冷めずぎても、熱すぎてもいない、ほど良い温度。」
このまま私たちは静かに微笑みを浮かべ、互いに見つめあった。

そしてまた、夫は私にスープを飲ましてくれる。

この日の夜は、静かだった。
そして、幸せに包まれていたのだった。

翌朝
「この人が俺らのATMだ!」
「は?」
1人のガタイのいい男が夫の隣に立っている。
「夫さんとも愛し合っている仲ですので宜しくお願いします!」
そしてその場で濃厚なハグチューを披露された。
「こいつが稼いできて!俺が家政夫になる!これでお前は育児に専念できて生活が楽になる!良かったな!」
なんだこれ、夢でも見ているのか
「どういうことかしら!」

「そういうことです。」
そしてこの部屋は2人の男の微笑みと静寂、そして私の萌えと共に全てを包んだのだった。

『静寂に包まれた部屋』

9/28/2024, 10:35:40 AM

「じゃあ、またね」
「うん、またね」

人は別れる際に、バイバイやじゃあね、またね。
など、様々な言葉を交わす。

僕らはいつも『またね』と交わす
次があると信じて
次もまた楽しい日々を過ごせますように、と

だから『さようなら』なんて言いたくない。
まるで次が無いみたいで、関係をキッパリ切ってしまうような、そんな言葉は、あまり好きじゃない。

でも、やっぱり別れは来るものなのだ


「えっ……アキラが、交通事故ですか!?」
信じられなかった。こんなにも突然なんて。だって昨日も「またね」って……
「そうなのよ今危ない状態だから、ほら貴方達仲いいじゃない?一緒に付き添ってあげて」
「はい!行ってきます!」

僕は走る、丘の上の病院まで。
今は疲れも感じなかった

「アキラッ!!」
勢いよく開けた病室の扉。そこにはアキラがいた。でも、目を閉じて眠っているようだ。
「お?アキラの友達か……こっちに来なさい」
アキラのお父さんに言われるがままアキラの傍によった。近くで見ると魘されているような感じもした。苦しいだろうなこんな管だらけで、傍にずっといられれば。
「アキラ、頑張れ。」
ぎゅっ、と手を握った。
でも痛くないようにそっ、と。

アキラの手を握ってからしばらく経った。まだ3分も経ってないかもしれないし、もう1時間もここに居るかもしれない。
「まだアキラとバカやり足らねぇよ。
なあ、寝坊助、起きろって。」



その時 、握っていたアキラの手が僅かに動いた気がした。アキラ?応えてくれてるのか?
「お前……頑張るんだな?」
そしたら俺も、頑張らねえとな。なあアキラこれが終わったらまたいつもみたいに……

「ビーーーーーー!!!!!!」

「っー!な、なんだ!!どうした!?
アキラ!?アキラ?」

突然の機械音。
なんだろうこの胸騒ぎ。いま伝えないといけない言葉がある気がする。

「どうしましたアキラさん!」
「!!かなり危ない状態です。直ぐにでも治療室へ……」


「アキラ!!」
咄嗟に叫んだ。叫ばずにはいられなかった。でも、
あの言葉を言わすなよ、言わねえぞ?

「バーーーーカ。早く戻ってこいよ?
俺はいつでも待ってるからよ。」

「なんだ君はアキラの友達なら……」



「またな。」



それから、誰も、何も。俺に声をかけなかった。俺がヤバい奴だから近づかないだけか?ああ、なんか目があつい。

上を向く。特別な意味もないけど。

「また、逢えるだろ?アキラ……」



ツーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



『別れ際に』

9/16/2024, 11:05:59 AM

空が、泣いている。
なんでそんな風に表現するのだろう。
私達の流す涙に、似ているからだろうか

9/8/2024, 12:17:52 PM

胸の鼓動を感じる
夜独りになるとよくその音が聞こえる
時計が動く音
コオロギが鳴く音
それら全てを感じ、眠りにつくのだ

9/1/2024, 10:08:43 AM

今日1日、うっかり寝て過ごしてしまった
何となく、スマホに圧がある
メンヘラ彼女の留守電とスタ連がステータスバーから確認できる。
表示は999+となっている
僕はそっと彼女をブロックした

ー開けないLINEー

Next