名も無き夢小説書き屋

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5/11/2024, 11:57:26 AM

主人公「…どうしよう!!」

ある日の事、最近体調が優れず、ご飯を食べても吐いてしまう。そんなことは無いと思いながらも妊娠検査をしてみたら、まさかのほんとうに妊娠してしまった。

相手は分かり切っている、ホムラだ。ホムラとは私の恋人であり、世間を騒がす画家、そんなホムラに子供が出来たと分かれば、きっとマスコミに騒がれるだろう。

彼は騒がれるのを嫌う、きっと子供が出来たなんて知ったら、面倒くさがるだろう。彼の手を煩わせるのは嫌だ。そう思って私は彼の元から離れることにした。荷物の生理をして、彼との連絡手段を切り、ハンターを続けるのは大変だからと、産休、育休を貰い、実家に戻ってきた。

兄やおばあちゃんは相手を探し出して責任を取らせようとしたが、私から離れたこと、私が止めると何も言わずにお祝いをしてくれた。



ホムラVer.

彼女が突然僕の前から消えた。連絡はつかないし、ハンター教会に連絡しても個人情報だからと言われた。トウの方も連絡が取れないらしい…



主人公Ver.

あれから2週間が経った、兄さんはいつも以上に過保護で、体に気を使えと言う。病院に行って赤ちゃんの様子を見ると、まだ小さいが順調らしい。

主人公「赤ちゃーん、もう寝てるのかな〜?君の事はママが頑張って育てるからね。」
マヒル「兄さんのことをパパとして頼ってくれてもいいんだぞ〜?」
主人公「もうっ!兄さんったら、兄さんも叔父さんになるんだよ!」
マヒル「お、おじさん、?俺は絶対マヒルお兄ちゃんって呼ばせてやる!」



ホムラVer.

ようやく僕は全ての人脈とコネをお金を使って彼女の場所を突き止めた。そして今から彼女の家に行くんだ…

ホムラ「ピンポーン!」
主人公「はぁい、えっ、ほむら、!?」
ホムラ「探したよ…どうして急に僕の元から消えたりしたの!?」
主人公「う、えっと…」
ホムラ「…ねぇ、そのお腹、なに?」
主人公「っ!?」
ホムラ「リモリア人はそういうのに鋭いんだ、早く言って、僕以外のオスの子供が出来たから逃げたの?僕との約束を裏切ったんだね?」
主人公「違うっ、この子は、ホムラの、子だよ…」
ホムラ「じゃあどうして僕の元から逃げたの!」
主人公「子供が、できたなんて知ったら、ホムラきっと、世間に騒がれるでしょ、?ホムラ、そういうの嫌うじゃん…、!」
ホムラ「そんなの僕が気にすると思う!?
もちろん騒がれるのは大嫌いだけど!君がいなくなる方が嫌に決まってるでしょ!それに、子供って、嬉しいに決まってるじゃないか…」
主人公「ほ、ホムラ…」

その後私たちはもう一度話し合った、子供のことは世間には隠していくつもりだが、子供がある程度大きくなったら発表することにした。

ホムラ「…」
主人公「ホムラ?どうしたのー?」
ホムラ「僕が君のお腹に耳を当てている時だけなかなか動かないんだよ、全然聞こえない。」
主人公「ふふ、パパはタイミングが悪いんだよねー?あっ、蹴ったよ!」
ホムラ「本当かいっ!?あっ、聞こえた!!」

赤さま「仕方ねぇから蹴ってやるか…やれやれ」

5/10/2024, 10:01:39 AM

光が消えた

彼女がある日、突然居なくなった
いつものように『レイ!任務に行ってくるね!今日の任務は長引くかもしれないから、できる限り早く帰ってきます!』と言って、家を出た、私はそれを見送ったんだ、それから、もう1ヶ月が経つ、長くても2、3日で帰ってくると言った彼女は未だに帰ってこない。
もしや怪我をしたのかと思い、ハンター教会に連絡を入れたが、そちらからも連絡は取れないらしい。

あれから1週間警察にも連絡をして、ようやく彼女が見つかったらしい。場所だけ聞いて行くと、通されたのは霊安室だった。

レイ「…は?」
職員「信じられないのも、無理はございません、この方は、禁猟区の奥深くで、遺体となり発見されました。どうやら、ワンダラーの食料として、寝床に連れ去られたようです、幸いそこにいたワンダラーは捜索隊に倒されていたようで、まだ、原型が残った状態で発見されました。」
レイ「遺体、?嘘だろう?彼女は、臨空1のハンターだ、そんな簡単に…」
職員「…信じられないのも無理はありません。遺体確認を、お願いいたします。」
私は違う、他人の空似であることを願いながら、彼女の顔にかけられていた布を取った。
レイ「…」
そこに居たのは、多少傷はあれど綺麗な、紛れもなく自分の最愛の彼女だった。
職員「…どう、でしょうか」
レイ「彼女、です、間違いなく、私の、ッ」

それからは色々なことが行われ、焼かれる前にということで時間を取らせてもらった。
レイ「主人公、森の奥は冷えただろう…寒かったな」
所々腐ってしまっている彼女を見ると、恐らく長い間生きてはいたのだろう。
レイ「苦しかったな、痛かっただろう、すまない、すぐに探しに行くべきだったな、ハンター以外は入っては行けなかったんだ、でも、あんなもの、破って探しに行けば、まだ、助かったかも、しれなかったなぁ、っ、すまない、すまない…」
レイ「主人公、お前の弔い方は私が決めていいらしい、なにが、いい?最後の、おしゃれ、だな、お前はいつも綺麗な服を買っていたからな。死化粧も、綺麗にしてもらえ、やはり、焼こうか、骨壷に入れれば、私の部屋にお前を置いておける。特に物もないが、退屈と言うだろうが、許してくれ…」

あれから葬儀も滞りなく進んだ、彼女の同僚も数名来てくれていたが、凄かったな、お前は仕事場でも人気だったんだな…何より多かったのが彼女に命を救われた人たちだ。私より多くの命を救っていたんだと思う。

私は骨壷は墓には入れずに家に置いておくことにした。彼女はいつも『私が死んだらお墓に入れないでレイの家に置いて!物置でもどこでもいいから!』
と言っていたな…
レイ「リビング…は流石にダメか、寝室、もあれだな、私の部屋に置いておくか?いや、部屋の雰囲気にこの可愛らしい骨壷は、まぁ、いいか。」
結局私は彼女を自分の部屋に置いておくことにした、彼女は1人で暇になるとよくちょっかいをかけてきたから、恐らくこっちの私の部屋なら本もあるし私が基本ここにいるから退屈はしないだろう、映画を見る時なんかはリビングに置いておくか。

それからしばらくはいつも通りの日々が続いた、ある日ふと気づいた、彼女の声は、一体どんな声だっただろうか、可愛らしい声ではあったが、どうも思い出せない、なにかの文献で読んだことがある、人間で一番最初に忘れるのは声だと、例えいくら何度も聞いた声だとしても、忘れてしまう人間の体は実に薄情にできている。
少し前に彼女が突然、ビデオを撮りたいなどと言って、撮り方を聞いてきたのを。
レイ「確か絶対にいいって言うまで見るなと言われて渡されたのがあったな、」
レイ「もうお前は居ないし、怒られることもないしな、見るか」
結論から言えばそれは、今までの思い出等を、彼女がビデオの前でずっと語っているビデオだった、私すら忘れていた私の話や、彼女からまだ聞いていなかった話も沢山あり、ビデオは3時間ほど流れた。
彼女の声、顔、表情、匂い、触り心地、今は全て覚えている。いや、思い出したの方が正しいか、声、顔までは思い出せたとしても、匂いや触り心地はいつかは忘れてしまうのだろう。幸いなことにこの家には彼女のもの、匂いがありすぎる。暫くは、忘れたくても忘れられないだろう。

彼女の死から…60年以上が過ぎた、今まで1度も彼女のことを忘れたことは無いし、今の鮮明に覚えている。私もそろそろお迎えが来たみたいだ、お前は言っていたな、私が死んだら、私を忘れて恋人を作って、と、私の執着を舐めてもらったら困る、ちゃんと今まで、お前以外の女には見向きもしなかったし、お前のことを忘れた日はなかった、こんなに一途な男は、私ぐらいだろう。だから、次の人生では、一生そばにいさせてくれ…

𝑒𝑛𝑑
覚えていたあの感触

5/9/2024, 11:08:06 AM

主人公が死んだ
突然の襲撃だったらしい、その場にはハンターは主人公しかいなくて、必死に市民を逃がして、それで…どうして逃げてくれなかったんだ、市民は既に避難していたんだろう、もう少しで、応援も到着したらしい、なのに、どうして…
今週は俺も早めに戻れるから、朝になってもずっと居るぞって、嘘つかないでね、って言ってたのに、嘘をついて、約束を破ったのは、お前の方じゃないか。
なぁ、主人公、今までのは謝るからさ、もっとちゃんと、約束も守る、だから、謝らせてくれよ、顔をちゃんと見て、仲直りのお手紙だって、書くからさぁ…

マヒル「お願いします!せめて、せめて最後に顔だけでも見させてくれ!!」
火葬場の職員「…申し訳ございません、修復など施したのですが、見せれる状態ではございません…」
マヒル「それでもいいんです、せめて最後に、人目だけでも、妹に、主人公に会わせてください、お願いします…」
火葬場の職員「……申し訳ございません」
マヒル「そんな…」

結局主人公には会えなかった、はは、最後にぐらい、ちゃんと顔を見て言いたかったな、愛してる、好きだって、言いたかった、生きてるうちに伝えてればよかったな、いつも態度で示してるって言ってたくせに、それだけは伝えれなかった。隠してたんだ、ごめんなぁ、臆病なにぃちゃんで

あれから1ヶ月が経った、未だに主人公の死を受け入れられない自分がいる、パイロットとは言え、危険な仕事だ、死んで言った同士も居た、悲しかったが、乗り越えて元気でやってきた。
マヒル「はは、俺はここまでへこたれる性格だったのか、主人公が見たら、こっそりジュースでも置いて、肩でも揉んでくれるのかなぁ…」
俺は銀と金の林檎の2つのネックレスを握りしめた、あの時くれたネックレス、おそろいだったの知ってたんだぞ、こっそり自分もつけてたんだな…

マヒル「っはぁ、はぁ、夢、?」
主人公「兄さーん?いつまで寝てるの?兄さんがこんな時間まで寝てるなんて、酷い顔、悪夢でも見たの?」
マヒル「主人公、?
生きてたんだな、あぁ、よかった、よかったぁ」
そのまま抱きしめようとした、触れようとした
マヒル「っは、?」
辺りを見渡した、最近まともに掃除も出来ず、散らかった部屋を見た
マヒル「はは、そっちが夢で、こっちが現実なのか…会いたい、主人公、こっちでも、化けてくれよ、夢の中だけじゃなくてさぁ、現実でも幻でもワンダラーでもいいから…」

それから毎日、あの夢を見る、主人公は飯を作ってくれて、笑顔で、笑ってて、でも、触れようとするとすぐに消える。
マヒル「どうして、くそ、どうしてっ、!なぁ主人公、もう、にぃちゃんに触られるのは嫌なのか…?」
マヒル「にぃちゃん、お前に触れたいよ…抱きしめさせてくれ、よく、美容院に行くたびに、触ってって言ってたじゃないか…」

今日もまた俺は、甘くて柔らかい、幸せな夢に縋るだろう