やっと、大好きな人に会えたんだ。夢の中で。
あなたは本当に繊細で綺麗な人だった。澄んだ空のような。
だからこの世界は少し、汚れすぎていて息がしづらかったんだろうなぁ。
それとも空に憧れてこの世界から飛び立ったのだろうか。
あんなに沢山、苦しんだのだから。
あんなに沢山、無理をしたのだから。
私の夢の中でだけは笑っていて欲しい。
あなたは強いひとだ、最期まで誰も責めなかったのだから。憧れる強さ、いつもどこかで人を責めてる僕は本当にあなたを尊敬してる。
沢山可愛がってくれた、たくさん色んなとこに連れ出してくれた、繊細な言葉で救い出してくれた。
あなたは私の天使だった。
あなたもあなたの天使に出会って空へ行ったのか。
とにかく、とにかく。僕は言わなければならない。
この夢が覚める前に、どうしても、伝えたい。
「大好きです」
この街には星が降る呪いがかかっている。
否、その星は優しい呪い。
この街には愛し合う人と結婚することを許されずに心中する他なかった者、優しさに付け込まれ騙され殺された者、大切なモノを守り最終手段として命をなげうった者……命を絶った、絶たれた善人だった者が集まるのだ。
この街では星が降る。優しい呪いの星。
愛し合う人と結婚できなかった2人にはには結婚できた世界線を。
優しさに付け込まれ騙された者には騙した者と和解し、仲睦まじく過ごす世界線を。
大切なモノを死ぬことでしか守ることが出来なかった者には共にただ平穏な日々を過ごせる世界線を。
星が見せてくれるのだ。辛い過去を星が呑み込んで、幸せなことしか見せないようにしてくれる。そんな呪い。
それがいいのか、悪いのか。それは分からない。けれど。
今日もこの街は優しい呪いで。星が溢れる。
君にはずっと僕の隣で、僕の浮気を見てて欲しい。だって君は、嫉妬に狂ってる時がいちばん美しいから。
あぁ、もっと知りたい。足りない。
きみの名前、誕生日、地元、血液型、歴代の出席番号、出身学校、好きなもの、嫌いなもの、ぜーんぶ知ってる。
でも足りない。きみの体の芯まで。君を象るもの、事象全てを知り尽くしたい。
あぁ、やっぱり。もっともっと知りたい
平穏とは。変わったことも無く、何も起きないことである。そんな「平穏」な日々を君は変えてしまった。
いつもどおり、勉強だけをしてればいいはずなのに。それなのに隣から聞こえてくる君の声に、話に耳を傾けてしまう。
体育なんて、体力を使うだけだからサボってたのに。君が誘うから。「どんなに楽しいんだろう」と気になってしまった。
将来は東大に入って大企業で働く事が夢だった。でも、君と一緒にやった「ゲーム」が楽しくて、あんなワクワクを作ってみたいと思ってしまった。
こんなの、「不穏」だ。おかげで僕の完璧な未来がめちゃくちゃだ。……でも、完璧よりこっちのが楽しいかもしれないな。