10/20/2022, 9:33:12 AM
廊下ですれ違って、盗み見る。校則では禁止されているピアスを堂々と付けている彼が、羨ましくて眩しい。対等になりたいとは言わないから、せめて視界に入れないだろうか。
10/18/2022, 10:43:00 AM
友人に誘われてコスモスを見に来た。今日は見事な秋晴れで、彼女はやはり「持ってる」側の人間なんだなと感心してしまう。現在求職中で、彼氏にも振られた私とは大違い……と思わず卑下しそうになっていれば、ひょいと顔を近付けられた。
「コスモス、嫌いだった?」
「ううん、そんなことないよ」
良かった、と彼女は空に負けない晴れやかさで笑う。
「最近彼氏さんに盗られてて寂しかったんだよね!」
私を励ますためであり、彼女の本心では無いかもしれないその言葉にやけに励まされる。本当に彼女は凄い。
せっかくの機会だから楽しもうと、私は首から下げたカメラを手に取った。
10/17/2022, 4:10:06 PM
「いなくなった人のことなんて、忘れてしまえばいいのに」
彼女は言う。僕は苦笑して、その言葉に返事をした。
「忘れたくても忘れられないことが、僕は嬉しいよ。それだけ愛せていたということだから」
10/17/2022, 2:43:36 AM
読書灯が好きだ。私は読書が好きだから、同じように読書が好きな人たちが求めたことで読書灯という概念な生まれたことが嬉しい。みんな暗い中でも本を読みたいのだ。
このまま技術が発達して、例えば紙の本そのものが光るようになってもこの嬉しさは感じない。便利ではあるけど。
あのやわらかい光のもとでページをめくることこそ、私が求める読書体験なのだから。
10/15/2022, 11:02:03 AM
餌を片手にゲージへと近寄る。とぐろを巻いていた彼は、匂いを嗅ぎつけたのか身体をほどいて扉へと近付いてきた。じっとこちらを見ている……ように見える。実際はそこまで見えていないはずだけど。
逃げ出さないようにガラス扉を少しだけ開いて、餌を差し込んだ。