“透明”
すきとおって、向こうがよく見えるさま
光が透過すること
濁りがないこと
歪み、曇りがないこと
年を重ねていくことで
頭にも心にも 蓄積された「澱」ができる
それは「知識」であり 「経験」であり…
ただそれは、時として 「色眼鏡」となり
目の前にある風景に 影響を与えてしまう
「色」が濃ければ、濃いほど
「澱」が溜まっていれば、いるほど…
その「色」に影響されて
その「色」越しでみた モノ は
その「色」が反映された モノ でしかない
今、みえているはずの モノ は
本来の「色」のままだろうか?
私の「眼鏡」越しの風景は
“「無色」透明”の先にある
本来の「色」のままの風景だろうか…
“理想のあなた”
回転寿司で
“食べたいネタ” を探すように
カタログショッピングで
“欲しいモノ” を探すように
不動産屋で
“住みたい物件” を探すように
婚活パーティーで
マッチングアプリで
結婚相談所で
“理想のあなた”
に出逢うため
「くるくる」「パラパラ」「うろうろ」
“理想の結婚”
“理想の生活”
“理想の住居”
全てを叶えてくれる
“理想のあなた”
そんな
“理想のだれか”
を追い求め…
“理想のわたし”
は何をする?
“突然の別れ”
予想外のできごと…
心の準備が ないままに
衝撃が走り
全てが 壊れてしまいそう
“別れ”
かかわり合った モノたちとは
全て “別れ” が付いて回るだろう
ただ「心の準備時間」の有無 によって
その“時”の衝撃が変わる…と思う
“突然の別れ” は
「準備運動」もしていないのに
冷たいプールに 不意に突き落とされたかよう…
ギュッと 胸を鷲掴みにされて
息が出来なくなって 苦しくて
そのまま 意識がなくなってしまうような
次の “別れ” の時には…
せめて
私に「心の準備」の時間をください
“恋物語”
ときめく 煌びやかな
優しく 甘くとける時のながれ
夢物語のひととき
夢物語の中にいる
そんな主人公の
待っているラストシーンは
Disneyの夢の世界観
夢物語から醒めた
そんな人に
予期しない結末は
グリム童話のような残酷
そんな殺伐とした日常
夢のない現実が
決して
訪れませんよう…
“真夜中”
シンデレラは 魔法が解け
馬車はカボチャにもどり
静寂な 時が過ぎる
今の世は 魔法が続き
不夜な街が増え
騒がしく 時が過ぎる
私は 魔法がかからず
闇だけが訪れ
深更空夜閑かに 時が過ぎる