「手を繋いで」

手を繋いで帰ったいつしかの帰り道。
その相手はお父さんだったか、あるいはお母さんだったか。
もしくは友達か、彼女か。

今、私はその帰り道に立っている。
懐かしく思う道だ。
その光景はなにも変わっていなかった。

右に見える公園、交差点、一軒家、塾。
そのどれもが変わっていない。

ただ、変わったのは私自身だった。

今の私の隣には、誰もいない。

3/20 手を繋いで

「どこ？」

今、私はなにをしたかったのだろう。
わからない。思い出せない。
なにか大切なものだった気がするのだが……。

モヤモヤする。
されどわからない。思い出せない。

ああ。モヤモヤする。
気になる。
けれども思い出せない。わからない。

まぁいいや。ところで。

私は誰でここはどこだったっけ。

3/19 「どこ？」

大好き

まだ、まだ君を忘れられない。
もういくつ経っただろうか。君がいなくなってから。
あの愛し合った日々を、愛し合った場所を、愛し合った僕らを。
僕は今もずっと忘れられないでいる。
ねぇ。君も、覚えてるかな。
何も言わずに居なくなった君を、僕はまだ、まだ愛してるよ。


これからもずっとずっと、大好きだ。


海の見える丘の上にポツンと佇むひとつの石。
君は、ここから世界を見守っている。

ラララと歌えど、歌えど何もならないことなんて分かりきっている。
気持ちなんて晴れやしない。

……はぁ。

ため息をつく。全てが無常に感じる。重苦しい気持ちに蹴りをつけようと今日も思う。

走る車を横目にして

「ラ、ラ、ラ……｣

帰りの足取りは重い。