過ぎ去った日々
「卒業式泣く?」
「絶対泣かない!最後は笑って終わりたいし。」
「とか言って、1番泣きそうだけどね」
「そういうそっちも大号泣でしょ?」
いざ始まると案外感動するものだ。
過ぎ去った日々は戻ってこない。
大して友達が多いわけでもないし、先生と仲良かったわけでもないし、学校なんて行きたくないが口癖だった。
それでも楽しかった。
お弁当の匂いでいっぱいの5時間目も、
体育終わりの眠たい授業も
先生に怒られる時間も。
思い返すと涙が止まらなかった。
「やっぱり泣いてるじゃん」
「そっちこそ。」
「私は花粉症だから。」
そう強がって目を拭う君でさえ、今では涙の材料でしかない。
お金より大事なもの
「ねえ、お金より大事なものってあると思う?」
「そりゃ命でしょ。」
「みんなそう言うけどさ、ほんとに思ってるのかな?」
「どういうこと?」
「じゃあ例えば、もし死んでも1度だけ復活できる『命』と10億円があったとして、『命』を取る人はどのくらいいると思う?」
「確かに、そうなると私も10億円を選んじゃうね。」
「じゃあやっぱりお金より大事なものってないんじゃないかな。」
たまには
今日の夕焼けはなんだか優しい。
いつもは気にもとめていなかったただの空が
何となく
根拠なんてないけれど
私をこの街ごと包んでくれている気がする。
「たまには空を見上げるのも悪くないなぁ」
なんて言葉が口からこぼれていた。
立ち止まることが悪だと思っていた。
私にはそんな時間なんてないと勝手に決めつけていた。
でも、やっぱり、
たまには立ち止まるのも大事みたい。
悔しいなぁ。
今まであんなに忙しなく動いていた私を、
こんな優しい空はずっと見守ってくれていたらしい。
私はそれに気づけなかった。
優しさに触れるべきだった。
けれどなんだか不思議な気持ちになる。
なぜあんなに急いでいたのかも忘れてしまいそうだ。
やっぱり空を見るのは「たまに」でいいかもしれない。
欲望
欲しいもの?したいこと?
そうか、興味がないんだ。
人にも世界にも。ましてや自分にだって。
別に全ての事象に興味がないわけではないだろう。
自分でも気づいていないところで目を輝かせているかもしれない。
けどそれはきっと、自認できるものではないから。
だったらきっと欲望がないのと同じだ。
遠くの街へ
遠くの街へ逃げたくなるのも、
ずっと楽しいことだけしてたいのも、
全部私が未熟だからなんでしょ。
この街では私は私を殺すことでしか生きられなかった。
そうすることでしか接してくれなかった。
それが普通じゃないことにも気づけなくて、
全部全部苦しかった。
「子供だから」で片付けられて、
私という存在が間違いなんだって思えてきて、
それを否定してくれる人もいなくて。
辛い。苦しい。逃げたい。
どこでもいいからここじゃない所へ行きたい。