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7/23/2024, 11:22:55 PM

近所に猫にハーネスを着けて
散歩をさせるおばちゃんが居て

学校帰りの子供達がよく撫でて猫の相手をしているのを
私はスーパーの帰りに時々見かけて居た

微笑ましいけれど
猫にとっては子供達が多少なりとも
鬱陶しくないか と
要らない心配をしている

子供達が猫の相手をしてくれるわけではなく
猫さんが子供たちの相手をしてくれている
という方が正しい気がした

ある日
スーパーの買い物帰り
またハーネス猫さんが道端をトテトテ

歩いている

おばちゃんもゆっくり後ろから歩いている

猫さんが何かを見つけて
興味津々で立ち止まる

アスファルトの隙間からスミレの花が咲いている

スミレの花に鼻をくっつけて

ふんふんすると

猫さんは戯れ始めた

おばちゃんはそれを見るなり立ち止まって

私に挨拶をしてくれた

私も挨拶する

こんにちはー
猫ちゃんいつも可愛らしいですね

おばちゃんは

ええ
好き勝手歩くのよ〜

と微笑んでスミレに戯れる猫さんを優しい目で見る

猫さんはスミレに飽きたらしい

それじゃあ
また

お互い挨拶して

猫さんとおばちゃんと別れた


アスファルトに咲く花は
健気で可憐なイメージがある

私は猫さんのために
買ってある
かつお節とニボシを持って
明日辺りおばちゃんのところに遊びに行こうと思う

道端に咲く花のような猫さん

名前は
はなちゃんだ

明日を楽しみにして
今日の夕飯を作り始めた

7/22/2024, 10:32:23 AM

僕は引き出しを確認する

今日も
キャラメルの箱と

苦くて飲まなかった風邪薬と

シャー芯の刺さった消しゴムの欠片と

ノートと

日記と

シャープペンシルと

メモと

ビー玉と

ねりけしと

作りかけて放置してるプラモと

大人の男用の雑誌一冊と…

毎日 僕は

僕の部屋の
机の一番下の
引き出しをチェックしている

ここは僕の秘密のものしか
入れてないんだ

鍵をかけてる

僕はこの引き出しで
将来的には
過去や未来に行くつもりだ

行けると思う

だって
そういう漫画があったから

僕は

隠してあるものをチェックして

今日も異変がないか

細部まで確認をする

キャラメルが減ってないか

苦い風邪薬が無くなってないか

チェックする直前は
なんだか

変にドキドキする

変化していて欲しい気持ちと

変化していたらどうしようという気持ち

どちらもあって

僕は

この引き出しが
いつか僕をどこかへと
運んでくれるようになることを
願っている

7/21/2024, 10:02:14 PM

コーチのバッグよりも

エルメスの財布よりも

4℃のブレスレットよりも

ディオールの口紅よりも

無印のコームよりも

ジェラピケのパーカーよりも

AppleのApple Watchよりも

シャネルのサングラスよりも

今は

何かに囚われない広い視野が欲しい

7/20/2024, 10:11:42 PM

父はある神社へと向かった

夏の暑い時期
汗をかきながら神主さんに
あるお願いをする

ある夏の暑い日の午前中

母はとある病院で私を産んだ

私は産声を上げた

父は母に神主さんからいただいた
紙を見せると

これにしたいと思う

と言った

あれから何十年

その神社はまだあり

その紙も家に保管されている

神主さんにお願いして
もらって来た

私の名前リストである


その中から

一番良いと両親が決めた名前が

今の私の名前です

7/19/2024, 10:38:56 AM

今の私の視線の先には
憧れている人がいる

ひと目見た時から

まるで絵画から出て来た人のようだなと…

吸い込まれるような大きな瞳に

長いまつ毛

スッとした鼻筋

薄く少し困っているような唇

見惚れた

あの人は
どんな人が好きなんだろう

私には
時々ぶっきらぼうに挨拶をしてくれる

私は照れながら
今日も挨拶が出来て嬉しかった

あの人が惚れる人は

どんな人なんだろう

私は
ふわふわと
そんなことを考えながら

チラチラとあの人を見る

ダメだ

他のことが考えられなくなる

あの人は食べ物では何が好きなのだろう

どんな本を読むのだろう

何が趣味なのだろう

私は
沼に嵌って身動きを取れない木偶の坊と化して

ただただ 見つめる

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