【ティーカップ】
その結果がどうなるか知っている
やっぱりやってしまう
手持ち無沙汰なのか
好奇心なのか
くるくる回るティーカップ
我慢出来ずに
目の前のハンドル手を伸ばす
人は
先に立たった後悔すら
回避できないのか
【寂しくて】
恵まれてるのだ
故に
それに甘んじてしまう
どこかでそれを
自身を取り巻く日常に思ってしまう
そして
実はそうでは無いんじゃ
そんな気付きに
膝を抱える
【心の境界線】
わりとオープンだと
自分では思ってる
それでもやっぱり
超えて欲しくない境界はある
相手によって位置や形も変わる
曖昧なライン
越えられないのは
だいたい自分の方
【透明な羽根】
走るのは遅かった
田舎育ち故
木や岩場に登ったりは得意だったはずだけど
下半身を使う遊びをしてなかったのかなぁ
とにかく
学校でヒーローになるような特技は持ち合わせてなかった
運動会なんかでは
風に乗るかの如く
遥か前方を走り去って行く同級生に
羽根でも付いてるのかと思った
観に来た親も
さぞかし退屈だっただろう
そんな事もとっくに忘れてたけど
自分が親になってから
思い出すことがあった
子供が通う保育園
その運動会の日だ
競技は親子競走
子供は半周
親は一周
自分の足が遅かった事を思い出したけど
今日は何だか身体が軽い
あの日飛ぶように走ってた同級生みたいに
半周先の我が子に追いつき
抱えて一緒にゴールしてやろう
第1コーナーで飛んだ
いや跳んだ
砂煙を上げながら
俺にも羽根があったらしい
【灯火を囲んで】
想像してみる
これが夏なら
キャンプファイヤーに怪談
花火なんかもある
さて
この時期
焚き火か?
落葉焚きももう昭和の文化だろう
キャンプをする人なら季節を問わないのかも知れない
俺は興味はあれど
残念ながら縁がないまま
田舎育ちの野生児も
今となっては立派なスマホ依存
暗闇で見るスマホの明かりを
灯火と言い張ろうかとも思ったけど
ちと寂しいし囲まねぇもんなぁ
新入社員が試験を受ける
実技もあるから
そろそろ練習が始まる
先輩達が集まって
あれやこれやと世話を焼く
先生が多いと習う方も大変だけど
先輩達も
大事な灯火を囲みたいのだ