生粋

Open App
9/27/2025, 2:23:05 PM

【涙の理由】


いや

多いな


あまり泣く事がない

俺にとって

涙の引出しはそんなに多くないぜぇ


幼稚園の頃

年長さんの卒園式

みたいな催し

飾り付けられた部屋で

お歌を歌ったり

ゲームをしたり

ちょっと豪華なおやつを食べたり

どのタイミングだったかはっきり憶えてないけど

みんなが楽しそうに過ごす中で

何故か泣いてしまった

小学生になったらの発表中だった様にも思う


となりに居た子が驚いて

先生~!

俺くんが泣いてる~!

と先生を呼びつつ

心配そうにこちらを見てる

他の子も集まって来だした

なんで?

と聞かれるも

幼い俺はその答えを持ち合わせていない

泣いてる所を見られる恥ずかしさにも襲われ

自分でも正体不明だ


だけど

やって来た先生は

その答えを持ってた


泣き続ける俺をなだめながら


俺くんは年長さんと会えなくなるのが

悲しいんだよと

みんなに話した


大人ってすごいなと思った


もうあの時の先生の歳は追い越してしまった

あの時すごいと思ったような大人に

なれたかどうかは

考えないようにしよう


そっちの方向は向いてるつもりだけど

向こうと思ったのは

あれがきっかけだったりするのかなぁ

9/27/2025, 1:41:25 AM

【コーヒーが冷めないうちに】


コンビニのコーヒー


後輩はいつもアイスで飲む

いつものようにレジで支払いを済ませ

いつもの氷入りカップを

いつものコーヒーマシンにセット

いつものアイスコーヒーのボタンを押して

コーヒーの抽出を待つ

いつもと違ったのは

抽出されたコーヒーが

はがし忘れた蓋のフィルムに弾かれ

冷める事なくカップの表面を流れ落ちて行った事‪


事情を説明して

再度料金を払おうとした後輩に

店員さんは

「お金はいいですよ」と

笑顔で対応してくれたそうだ


その後ついに完成したアイスコーヒーに

後輩は

スティックシュガーを入れてしまい

なかなか溶けない砂糖を延々とかき混ぜてると

先程の店員さんが

「お疲れですね...」と

さらなる笑顔で声をかけてくれたらしい

9/26/2025, 6:46:46 AM

【パラレルワールド】


今は出来なくなったけど

まだまだ元気だった頃は

異なる2つの世界を行き来できた


外食なんかに行くと

ハンバーグも食べたい

揚げ物も食べたい



どっちも食べる


定食を2つ並べてご満悦

肉と魚も然り

パスタとピザならもう1つ

ハンバーガーなら更にもう1つ


今は流石に出来ない


だけど若い頃に買った苦労が

ここに来て実を結んでいる


体重って

こんなに時間差なの?

9/25/2025, 12:26:44 PM

【時計の針が重なって】


歩みの遅い俺は

周回遅れでも

並んだ気になってた


後ろから掛けられる声に反応し

しばし会話を楽しんだ後

過ぎていく背中を幾度見送っただろう

君のペースはまだ落ちそうにない

俺のペースはもう上がりそうにもない


いっちょ追いついてやろう

なんて思う余裕もない


だけど思い出した


スタートしたのは

俺の方が断然先だった


立場逆転の周回遅れ

追いつけるかな

君たち

9/23/2025, 12:26:00 PM

【僕と一緒に】


なんだろう

ほわわんとした

お花畑のようなイメージより


ある種

ホラーなテイストに感じてしまうのは

色んな作品によるものか


子供の頃なら

ほわわん一択だったはずだ


世の中も随分変わったように思う

情報量の少なさから

目に触れる機会が少なかっただけかなぁ


今見ると苦笑いするようなホラー映画に怯えてたな

暗闇を恐れてたけど

灯りが増えて

暗闇が減ると

そこにあるかもしれない何かよりも

そこに確実にある何かが見えちゃうようになったのかも


暗闇から飛び出す異形のモンスター達は

居場所と職を失い

特殊メイクをとって一般社会に...


お花畑と感じられなくなったのは

案外

俺も...かぁ?

Next