【足音】
義姉の家に行くと
シャカシャカと足音二つ
フローリングに足を滑らせながら
走り寄ってくる子犬達
おもちゃを持ってきて催促したり
寝転んでじゃれ合うのを待ったりと
思い思いのアピールにてんてこ舞い
右手でなでなで
左手でおもちゃ遊び
寝転がれば
腹の上と小脇に位置取り寝そべっている
それはそれは可愛く癒される
ところが最近
テケテケと
駆け寄ってくる足音が一つ増えた
人見知りを克服した甥っ子
こちらの手は二つ
もう横になってる暇は無い
来た時には涼しいと感じたエアコンも
その存在を忘れるくらいに汗だくだ
なるほど
嬉しい悲鳴とは
この事か
【終わらない夏】
終わらない
そう思ってた
9連休がとうとう終わった
こんなに休んだのは
いつ以来だろうか
生活のリズムを戻さなきゃ
そう思い迎えた最終日
軽く体を動かし昼寝はしない
アラームを多めにセットして早目に床に就く
約9時間
朝だ
アラームを止める
日常がはじまる
遠足前日の小学生かよ
ついぞ閉じる事の無かった瞼をこすって体を起こす
【遠くの空へ】
色々思ったが
せっかくこの時期だ
ちと
遠くに行った人達を想いを巡らせてみる
最初はたぶん
いつも一緒に遊んでた近所のヒロくん
小学校に入るか入らないかだったと思う
活発で無鉄砲で
今思えば俺とはだいぶ違う性格だった
活発で無鉄砲なヒロくんは
近所の池に落ちてしまい
走って家までお袋を呼びに行き
救い出して貰ったが
帰ることは無かった
当時の俺には事態が理解が出来ず
ヒロくんは星になったとか神様になったとか
言葉通りに受け止めていた
俺とはだいぶ違ったヒロくん
池に行かなければ
今も話したりしてただろうか
少なからず今の俺にはない
影響を貰っていただらう
仲違いしてるかも知れないし
未だに続く腐れ縁だったかも知れない
だけど
そちらを覗くことはもう出来ない
けれど
ヒロくんを失ったこちら側で
想いを馳せる事は出来る
ヒロくん
俺はちゃんと忘れてないぜ
【!マークじゃ足りない感情】
!!
っ!!!
【君が見た景色】
これだったか
その場に立って思った
それを見た者と
見てはない者
その認識に差が出来るのは当然だ
同じ物を見たとて
受け取るものは違うだろうけど
想像だけでは
到底
追い付くことの出来ない
景色
感情
感覚
感性