【青い風】
残念ながら
それを見た経験はない
それっぽく感じた事はあるかも知れない
茶色い戦争があった頃には
そんな風も吹いてたのかな
風の色なんてものに気を止める事もなく
忙しない日々を過ごしていると
風も色褪せてしまったのかもな
もう少し若かりし頃なら
それなら俺が色付ける
なんて小っ恥ずかしい事を言ったり
そもそも風に色なんてと
方意地張ってみたりしたのかなぁ
今でも無いわけじゃないけれど
たま~に吹く風が心地良いから
色は無くてもいいや
【遠くへ行きたい】
たまに考える事もある
全てをリセットし
新しく最初から積み上げてみる
そんな妄想
あくまで妄想
今いる場所も残念ながら
そんなに易々と手放せるような所ではない
手放したい現実もあれば
手放すにはあまりに惜しい現実もある
だから
たま~に少しだけ遠く
少しだけ普段と違う景色を眺めに行ければ
それでいい
それが手離したくない現実達と共になら
最高じゃないか
【クリスタル】
火、水、風、土
今は違うのかなぁ
あ
フーファイターズじゃないよ
さてさて
いやいや
クリスタル
クリスタルねぇ
あ
子供の頃
大小さまざまなクリスタルを30個くらい持ってた
詳細は覚えてないけど
遊んでる途中で見つけた宝物達
どれも綺麗にカットされ
キラキラと太陽の光を乱反射
お土産に貰ったせんべいの空き箱に入れ
引き出しの奥に仕舞われたそれを取り出し
ニヤニヤと眺める日課を繰り返すうち
ふと衝撃が走る
もしかするとコレ
俺にとてつもない富をもたらすんじゃ.......
テレビで見た芸能人は
俺の宝石よりも
ずいぶん小さな宝石を見せながら
聞いた事もないような金額を口にしていた
しかし
どこに持っていけば買ってくれるのか分からず
宝物を手放してしまうのも惜しい気もする
そこで
せんべい箱の中から
一番小さなのを取り出し
親の目に触れる所に置いてみた
それでもテレビで見た宝石よりも数倍は大きい
大人なら適切に処理してくれるだろうし
天からの贈り物に
親もさぞかし喜ぶだろう
きっと明日からは生活が激変すると
眠れぬ夜を過ごし
迎えた翌日
天からの贈り物はゴミ箱の中にあった
俺とは違い
宝石に精通してない親には
その価値が分からなかったようだ
ゴミ箱の宝石を拾い上げ
せんべい箱に戻しながら
自分が大人になる日を待つしかないと
自身に言い聞かせた
このお題が出るまで完全に忘れてた
今や何処にあるのかも分からない
シャンデリアのガラス達
【夏の匂い】
何か起こりそうな雰囲気に
背中を押され
ついつい勇み足
何も起こらず過ぎてく夏は
乾いた汗の匂いだけを残して
【カーテン】
軽やかで柔らかく
風に揺られ
部屋の雰囲気と調和しながら
強すぎる日差しや視線を
和らげたり
遮ったり
そういう人になりたいぜ