【透明な涙】
いつも隣にいて
同じ物を食べ
同じ物を見て
同じ所に行き
一緒に笑い
一緒に泣き
一緒に悩み
たまにケンカもして
そんなあの子と
別々の道を進むようになった時
落とした涙は
もう同じ色ではなく
きっと同じ場所にも流れて行かない
そう感じた
それからしばらく
涙を流す事はほなくなった
理由は分からない
泣くような事がなかった訳でもない
随分と年月が過ぎたあと
再び泣くまで忘れてた
今となっては
あの時の涙がどんな色だったか思い出せないけど
同じ色なんて言ってたくらいだから
透明じゃなかったんだろう
そして再びの涙も
きっとこの先も
透明な涙を流す事は
無いんじゃないかと思う
あぁ
もしかして
顔だけ笑ってる時の
あれの事なのかも
【あなたのもとへ】
遠くへ行くあなた
ちょっと遠くなったあなた
たまに会うあなた
きっともう会う事はないあなた
変わらず元気そうなあなた
少し疲れてそうなあなた
たまに声を聞かせてくれるあなた
まだ見ぬあなた
そう言えばのあなた
やっと楽になったあなた
さらに進むあなた
追い越して行ったあなた
怒り心頭のあなた
幸せそうなあなた
たくさんのあなた達と
相変わらずな私
【そっと】
だいたいの事は
それがいいと思うんだ
身をかわすのも
差し出すの手も
かける声も
決意を固めるのも
スピードも勢いも重要だけど
それは
他を犠牲にした全力のそれではなく
無駄を省いた結果として
丁寧なまま
脱力のまま
自分のまま
そんなイメージ
それが
来し方なのか
教育なのか
環境なのか
どれから来るのかは分からないが
とりあえず今は
自分の走書きを解読しながら
そっと
ため息をつく
【まだ見ぬ景色】
前回見損なった
あの山頂へ
ちゃんと準備して
【あの夢の続きを】
はたして
そこに希望はあるのだろうか
目覚めて
すぐに寝直しても
同じ夢に着地するとは限らない
俺の場合はほぼ無い
ましてや
一度は諦めてしまった
諦めざるを得なかった
その先に
同じ物があるとは思えない
だから
あの続きではなく
少し形を変えた
新しい夢を見ようと思う