【別れ際に】
今までにどれだけ
その際に立っただろうか
そこにだけ目をやれば
現在は
累々と積み上がった
別れの上に有るとさえ思える
それが最後になるとも知らないまま
いや
最後だと思わないようにしてた
の方が正解かも知れない
積み上がった経験のおかげか
伝えたい事は伝えられる内に
聞きたい事は聞けるうちにと
昔と違い随分とおしゃべりになった
それも
傾けてくれる耳があっての事だ
自分を自分たらしめるのはやっぱり人だ
不意に訪れる事も少なくない
その際に
こんな事なら出会わなければ
なんて
それまでの時間を見失う事なく
出会いに感謝が出来る自分で在りたい
累々と積み上がったその数は
出会いの数であり
当然
そちらの方が多いのだから
悲観しがちなこの道も
案外
上手く出来てるもんだ
なんて思う
【通り雨】
水に流す
それを試みるなら
このモヤモヤは
その水量じゃ
足りねぇなぁ
珍しく
抑えても湧き上がる
この憤りは
初めての体験かも知れない
まだ
我が身に起きた方が
どれだけマシだったか
違うから抑えられないのか
鎮火の見通し立たず
ただただ天を仰ぐ
あまりの理不尽に
力不足の胸が痛い
笑顔の燃費がすこぶる悪いや
【秋🍁】
秋
秋刀魚くらいしか
思いつかね~って言ったじゃんよぉ
安芸
親戚に連れてって貰った
お好み焼き屋さん
ご飯時を外したにも関わらず長蛇の列
そんなに変わる?
と食べたお好み焼きは
食べ終わるのが寂しく感じる
ずっと食べていたい美味しさだった
こりゃ並ぶわ
また来る機会があるかは分からないが
急いでマップのアプリにチェックを入れた
安芸
鹿と戯れながら鳥居を見た
干潮時だった為
鳥居の真下まで行く事が出来た
親戚によるとラッキーなんだとか
得した気分だが
また来る機会があるか分からない自分にとっては
もう少し海が近い姿も見たかった
秋
やはり秋刀魚が恋しい
【窓から見える景色】
子供の頃は
冬になれば
雪遊びをしてた記憶がある
最近では積もることも少なくなった
暖かい部屋から眺める
真っ白な景色は
窓ガラスを境界線に別世界
クリスマスに雪が積もるのも珍しい事ではなかったし
あの頃はサンタさんも居た
長女が産まれた最初のクリスマス
どうしてもやりたかった事があり
家に着く前に
仕事帰りに買ったサンタさんの服に着替えた
家に帰り、まだ2ヶ月の長女を抱き抱える
記念撮影だ
もちろん長女には分からないがそれで良い
後日、印刷した写真を封筒に入れ
押し入れに大事にしまった
それから数年の時が流れ
ついにその時が来る
可哀想に俺似に育った長女がとうとう質問してきた
「赤ちゃんはどうやって出来るの?」
「私はどうやって産まれたの?」
逸る気持ちを抑え神妙な表情をつくる
競り上がってくる口角を咳払いで誤魔化しながら
静かに押し入れに向かい
あの写真を取り出す
「クリスマスプレゼントに貰った」
グレた
長女は怒られると
「どうせ私はサンタさんの奥さんの子供だから!」
と反抗するようになった
何度も見返し
サンタさんの顔に自分の面影を発見するまで
因みに翌年に産まれた長男は
宅急便の箱から取り出す写真になった
【形の無いもの】
どっちかと言うと
その方が多い気がする
おかげでそれを上手く表現出来ない事も多く
思い返しては自身の拙さに後悔も多い
それでも
認めてやれる所は認めないと
止まってしまいそうで
自分に賛否両論の日々