【秋恋】
ピンと来ない
ず~っと遡ってみても
その二文字を結ぶ記憶に辿り着かない
恋と迎えた秋もあるが
始まりも終わりも違ったし
果たして特別な何かがあったろうか?
そうか
あの頃は
紅葉を見に行く
なんて事はあまり無かったかも知れない
お花見をして
陽射しの中で全力で遊んだ後
寒さに身を寄せるまでの間
ゆっくりと過ごしてたのか
ただあの頃
昂る気持ちに
季節はあまり関係無かったようにも思う
秋
秋刀魚くらいしか思いつかない俺が
年齢と共に
紅葉に魅せられたのは
人生がそこに差し掛かったからなのか
秋
夏の疲れを癒す季節なのか
いずれ訪れる冬に備える季節なのか
まだ残暑に悩まされど
季節が移りつつあるのは
確かに感じる
晩秋なんて言うと
何だか物悲しい気もするが
案外良いもんだと
強がることもなく思えるのは
自分が歳を重ねたから
だけでは無いだろう
【大事にしたい】
人だ
これはブレない
綺麗事を言いたい訳ではなく
たくさんの人に支えられ
背中を押され
今ここに立てている実感
自分を作る様々な要素は
間違いなく
今までに携わってくれた人達によるものだ
良い事もあまり思い出したくない事も
どれ一つとして欠かすことの出来ない要素だったんだと思う
自分の弱さも強さも
人が気付かせてくれた物だ
ピリッとしない自分を
それでも受け入れ
期待や信頼を寄せてくれる人達
自分の発した想いや言葉に
共感や意見を示してくれた人達
少しでも報いたいと思う
もう叶わぬ相手も居るけど
それは次の誰かに返して行けるはずだ
こんな時アイツならきっとこう考えそう
こう行動しそう
それに応えられる自分で在りたく
自分にはそれを果たす責任がある
なんて思ったりする
自分がさせた期待に応える
ようやく自分を認めれるようになった
おじさんのようやく定まりそうな自分探し
そんな気づきをくれたのは
すっごい年下の子だったりするから
まだまだ未熟なおじさん
改めて先輩達は偉大だったとしみじみ
やはり時間だけが人を成長させてくれる訳では無いみたいだ
【時間よ止まれ】
それを思うときは
絶頂の頂きなのか
絶望の手前なのか
どうせなら良い方で止まって欲しいけど
果たして
止まった時の中で
自分は動いているのか
動いたとして
動かぬ世界に何を思うのか
分かち合える事も
得る物も
伝える事もままならず
そうなると
もう少し寝たいとか
もう少し眺めていたいとか
ささやかなもう少しを
ちょっとだけ欲張る
それくらいが丁度いいように思う
あっ
イタズラしてまわるのは楽しそうだ
【夜景】
夜に見る景色
昔は楽しくて仕方なかった
太陽の下では輝けない
色んなものがきらきらしてた
夜景を見に行くような事も
縁遠くなった今
夜に見る景色は
外の景色よりも
自分の内側が増えた
夜の意味合いが
少しづつ変わって来たように思う
【花畑】
おそらくだ
聞いた事はない
あくまで想像の範疇だが
俺の頭に中に
それを見る人は少なくない気がする
まぁ近からず遠からずか
さて
車とはありがたいもので
体力に自信が無くなっても
晴れでも雨でも
どの季節でも
ある程度快適に
色んな景色を見せてくれる
木に覆われた山道を
クネクネと通ると
開けた視界の先に
段々畑と彼岸花
きらきら光る海
夕暮れの川面と一面の菜の花
そんな風景が突然現れたりする
車を降りて辺りを見渡す
付近を散策する
深呼吸する
少し物思いにふけったり
待ち受ける現実から全力で目を逸らしてみたり
おじさんだって
たまには浸ってみたりするのだ
あぁダメだ
今日もまとまらないや
今日は中秋の名月なんだとか
まだ秋はあまり感じないけど
少ししたら数年前に見つけた場所に
花ではないけれど紅葉を眺めに行こう
その頃にはまとまるようになってるといいな
頭の中のお花畑
あながち・・・